現役為替ディーラーが何でも答えます!みんなのQ&A[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]
疑問をぶつける相手はいないし、調べてもよく分からない…。そんな悩みがあったら、この企画にお任せください。トレイダーズ証券の井口さんが、あなたの質問を解決します!
井口喜雄さんプロフィール
いぐち・よしお。トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。
Twitter:https://twitter.com/yoshi_igu
Q18. 各市場のオープン時に相場が動くことが多いので、その時間を狙うようにしています。市場ごとの特徴や、アドバイスがあれば教えてください。(福井県/30代/女性)
A. 各市場のオープン時間は狙い目です。共通しているのはマーケットがオープンするときにトレンドが発生しやすくなるということ。東京市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場と、それぞれに特徴がありますので見ていきましょう。
東京市場は仲値を攻略
東京市場では、日経平均の寄り付きから東京時間の「仲値」が決まる「午前9時55分」が勝負です。仲値とは、銀行が輸出業者や輸入業者と外国通貨取引する際の基準レートのことで、それが決まる時刻が9時55分です。
輸出入業者からは9時55分の仲値に向けてオーダーが集まってくるのですが、おおむね輸入業者(ドル買い)の方が多くなる傾向があります。ここでドル買いが多くなるのが分かっている銀行は、より高いレートで顧客に売りたい(買わせたい)という思惑になり、9時55分までにできるだけドルを買い、価格を釣り上げるという行動に出ます。そのため9時くらいから9時55分まではドルが上がりやすい地合いとなるのです。
では仲値後はどうなるでしょうか。過去数年の値動きを見ると、面白いデータがあります。午前9時55分の仲値後から午後12時の約2時間でドル円は約1,000pips以上も下落しているのです。高くなったドルが自律反落しているからだと考えられます。
仮に毎日仲値後にドル円を売り、2時間後に決済すればとてつもなく大きな利益となっていたというシミュレーションです。当然シナリオ通りにいかない日もありますが、仲値が決まる前にドル円を買い、仲値が決まったらドル円を売るという基本は押さえておくべきでしょう。
よろしいですか?