ドーナツかドーナツの穴か[森晃]
森晃さんプロフィール
エコノミスト。シンクタンク(アメリカ合衆国)に所属。専門分野は、為替政策、金融政策、マクロ経済政策、金融規制。市場関係者、金融当局者、政策当局者と交流し、多方面から為替の動向について分析を行っている。
明けまして、おめでとうございます。拙文を読んでいただいている読者の皆さまに感謝すると共に、皆さまが2020年も素晴らしいスタートが切れることを心より願っております。
さて、本原稿は感謝祭(サンクスギビング)明けに書いている。今年も家内が作ってくれた七面鳥をおいしくいただいた。クランベリーソースはあまり好きではないが、豆知識をご披露したい。大昔、先人の知恵として七面鳥の病気を防ぐためにクランベリーを使ったことから、クランベリーソースで食べる風習になったと最近読んだ記事に書いてあった。
大学のキャンパスはファイナルテストが終われば、学生の姿はまばらで閑古鳥が鳴いている。一方で、商店街はクリスマスツリーや電飾に彩られ、やがてクリスマス休暇が始まる。NEW YEARにシャンパンを飲んでお休みは終わりとなる。年を取るにつれて時の流れは早くなり、「もうクリスマスか」と何かはかなさを感じるものである。
話は変わるが、アイルランド出身の劇作家オスカー・ワイルドが「The optimist sees the doughnut, the pessimist sees the hole.(楽観主義者にはドーナツが見えるが、悲観主義者にはドーナツの穴が見える)」という名言を残している。この言葉が意味するのは、悲観主義者は悪いところに目を向けがちだということである。2020年から2021年にかけて、投資家の皆さまが「ドーナツを見る」か「ドーナツの穴を見る」かによって、投資スタイルが大きく異なってくると筆者は考えている。
よろしいですか?