現役為替ディーラーが何でも答えます!みんなのQ&A[トレイダーズ証券みんなのFX 井口喜雄]
疑問をぶつける相手はいないし、調べてもよく分からない…。そんな悩みがあったら、この企画にお任せください。トレイダーズ証券の井口さんが、あなたの質問を解決します!
井口喜雄さんプロフィール
いぐち・よしお。トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。
Twitter:https://twitter.com/yoshi_igu
Q17.高金利で話題のトルコリラ円は本当に勝てるんですか?(広島県/20代/男性)
A.高金利だからといってスワップポイントだけ見て取引するのはNG。勝つためには高金利通貨の本質を理解してポジションをコントロールすることが重要です
トルコリラはなぜ高金利なのか
高金利通貨としてFXではなじみの深いトルコリラ。スワップトレードでコツコツ収益を稼げるため、長期投資を好む一部の投資家からは支持を受けますが、その反面、危険という声もよく聞かれます。今回は金利差トレードについて、理論をがっちり押さえながら今後の展望を考えていきましょう。
そもそもFXで金利といわれるものは、政策金利を指します。ローンなどを組まれた経験がある方は、10年金利などいわゆる「長期金利」をご覧になったこともあるかもしれません。政策金利とはオーバーナイト(1日の貸し出し金利)から3か月程度の「短期金利」を指します。中央銀行が短期金利をコントロールすることで銀行間の貸し出し意欲を刺激・抑制し、通貨の供給量を調整するために金融政策の指針に基づいて短期金融市場でオペレーションを行っています。
ご存じの通り、日本の政策金利は20年以上0%台で横ばいですが、通常投資を行うのであれば金利が高い方が魅力的です。このため新興国では先進国よりも金利を高めに設定する傾向にあります。
ここで注意したいのが、金利は高ければ良いというわけではないということです。金利にはさまざまなリスクがあり、トルコのようなエマージング市場においては、国家が債務不履行になるリスク「ソブリンリスク」と呼ばれるものが加味されているのです。そのため、非常に高い金利がつくわけです。これらをまとめると、
新興国の政策金利=経済調節のため設定する金利+その国の財政リスクを加味し上乗せした金利
となります。したがってトルコリラに投資を行う際は、ファンダメンタルズを考慮する必要があります。
よろしいですか?