「スキャルピングの伝道師」為替鬼 8000文字インタビュー「FX黎明期の裏話とスキャルピングの夢と現実」
為替鬼さんプロフィール
かわせおに。上智大学外国語学部英語学科卒。外資系ファンドトレーダー、証券会社の為替ディーラーを経て、現在は投資会社の代表取締役に就任。エントリーからわずか数分で決済する、超短期スキャルピングを得意とし、一日のトレード回数は数百回にも及ぶ。トレード履歴を公式ブログ「FXスキャルの達人!」で全て公開。主な著書に「為替鬼のFXスキャルピング入門(ダイヤモンド社)」がある。
●聞き手:鹿内武蔵(編集部)
レバレッジ400倍でも超コストの黎明期
鹿内 まず、FX業界黎明期のお話を聞かせていただけますか。この雑誌は2008年の創刊ですが、為替鬼さんはそれ以前からFXをやられていたとか。
為替鬼 そうですね。私がFXを始めたのは2001年の終わりくらいです。
鹿内 FXが日本国内で解禁されたのは1998年ですから、かなり早いタイミングで参入されたんですね。
為替鬼 そういうことになりますかね。それまでは株をやっていたんですが、FXをやってみて超少額で参入できることにまず衝撃を受けました。なんだかんだいって、本腰を入れて株の取引をしようと思ったら、500〜1000万円は必要になるじゃないですか。それなのにFXの場合なら、僅か数十万円でトレードができます。こんな世界があるんだなと、カルチャーショックを受けましたよ。
鹿内 株の取引とは全く違う世界だったんですね。株でも稼いでらっしゃったんですか?
為替鬼 株には良い思い出がありません。当時予備校の講師をしていたので給料は良くて、有り金全部を株に突っ込んでは負け、追証を求められ、というサイクルでした。
鹿内 FXの実績から考えると意外ですね。というか、予備校の講師はそんなに高給取りなのですね。
為替鬼 人気商売ですからね。若くても人気のある人なら、20代でも年収1000万円が当たり前の世界です。東進ハイスクールの林先生なんか、軽く数億円は稼いでるんじゃないですか。
まあ、それはいいとして、とにかく株ではぜんぜん勝てなかったですね。認知的不協和理論というんですが、人間は嫌なことから目を背けるんです。含み損がひどくなってくると、あえて見ないようになりました。株ではトータルで数千万円はやられてますね。
鹿内 そこからFXの世界に参入するわけですが、あの時代のFX業界はどんな感じだったんですか?
よろしいですか?