外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|相場の長期展望を立てたいなら移動平均線の期間「200」に注目!】
私が愛用しているテクニカル指標の一つが期間を「200」にした移動平均線(以下、SMA)です。日足の200日SMAは海外投資家も大注目する重要テクニカルとして知られていますが、週足の200週SMAもそれ以上に大切です。今回は200日SMA、200週SMA、それに次いで重要な120日SMA、120週SMAに注目して、主要通貨ペアの未来を展望してみましょう。
佐藤正和さんプロフィール
さとう・まさかず。邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。その後、年間取引高No.1を誇る外為オンライン・シニアアナリストに。通算20年以上、為替の世界に携わっている。ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」、ストックボイス「マーケットワイド・外国為替情報」に出演する他、Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
200日SMAがドル円相場の争点に。抜けるか割り込むかその行方やいかに!?
米国とイランの軍事的緊張で幕を開けた2020年も2018年、2019年に続き波乱の展開で始まりました。とはいえ、米中通商交渉の進展や米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年10月に開始した「隠れQE4」の影響もあり、米国株が史上最高値を更新し続ける「トランプバブル」はまだまだ続きそうにも見えます。
そんな中、ドル円は2019年10月以降、200日SMAを抜けたり割り込んだりしながら、107円~110円台で方向感の乏しい横ばい相場が続いています。200日SMAは海外の機関投資家も注目する重要なテクニカル指標です。単に日足チャートの200日SMAだけでなく、1時間足チャートの200時間、週足チャートの200週、月足の200か月など、とにかく期間「200」のSMAは為替レートの値動きに大きな影響を与えます。
そこで今回は、200SMAに焦点を当てて、2020年の主要通貨ペアの値動きを占ってみることにしましょう。
チャート①は2019年4月に高値112円台をつけてからのドル円日足チャートです。ここ数か月のドル円は200日SMAを抜けたと思ったら割り込む…という値動きを何度も繰り返しています。2020年年初には米国のイラン軍人殺害を受け、下値のサポート役だった120日SMAが位置する108円ちょうどあたりまで下落しました。
よろしいですか?