金融リテラシーが身につく YEN蔵の投資大学(アカデミア)|第4回[YEN蔵]
YEN蔵さんプロフィール
えんぞう。米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。現在はトッププロトレーダーとして為替、日経平均、日経オプション、個別株の取引を行う。投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨を始めとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。
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新型コロナウイルス感染拡大でリスク回避の動きが加速
2020年2月の最終週は、新型コロナウイルスの感染拡大が東アジアにとどまらず世界各国に広がりました。とりわけイタリアでの感染拡大は欧州への感染リスクを高め、このことが市場に大きな影響を与えました。今回の動きには、目に見えないウイルス感染に対する恐怖心があるのかと思います。この辺りは、東日本大震災による原発危機のときの動きが参考になるかもしれません。
年初まで市場のテーマとなったのは米中通商問題と、中東での米国とイランの対立でした。このときは、何か悪いニュースが出ても短期で下落が終了して株式市場が反発。為替も比較的安定して推移する期間が続きました。
米中通商問題は、今から思えば予想が比較的可能なリスクでした。トランプ大統領がツイートで何をつぶやくか分からないといったリスクはありましたが、関税の有無によってその後の経済活動への影響を予測することは簡単とはいえないまでも、予想の範囲を絞ることはできました。
一方で今回の新型コロナウイルスは、まず感染の拡大がいつ止まるかということの予想が難しくなっています。次に、感染拡大が終息したとしても、そこまでに経済活動が縮小していますから、その影響がどれぐらい出るのかという予想も難しいです。そのため経済の先行きに不透明感が漂い、市場が急速に弱気になっているのでしょう。
仮に経済減速が予想されていても、それがある程度予測可能であれば株価は下落するにせよ暴落とはなりません。しかし、市場が一番嫌うのは不確実性です。不確実性があるから暴落が起こります。
日本でもイベントの中止延期や外出を控える動きが広がっており、この影響が経済活動を減速させることは間違いありません。終息のめどがついて通常の経済活動に戻るまでは予想が難しいです。こういった不安感が株価の下落を加速させ、債券に資金がシフトする、いわゆるリスク回避の流れになっています。
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