【無料全文公開】フィスコ マーケットレポーター 三井智映子といっしょにお勉強♪出るFX用語【投機筋】【実需筋】
三井智映子さんプロフィール
みついちえこ。フィスコ マーケットレポーター。北海道小樽市出身。NHK教育「イタリア語会話」でデビューし、2011年東京モーターショーにてMCデビュー。現在はテレビ、CM、舞台などで活動。2013年11月大阪新歌舞伎座、2014年1月「五木ひろし特別公演」で八重次役として出演。また2013年テレビ朝日「白虎隊」「濃姫2」、2014年テレビ大阪「たかじんNOマネーBLACK」に出演。2012年10月からフィスコリサーチレポーターとしてYahoo!ファイナンスで株価予想などを行う他、テレビ、雑誌、Webなど活動の場を広げている。
2013年講談社より『最強アナリスト軍団に学ぶ ゼロからはじめる株式投資入門』、2015年明日香出版社より『はじめての株価チャート1年生 上がる・下がるが面白いほどわかる本』を出版。「美人過ぎる金融アナリスト」として話題に。女性らしい銘柄選びと、分かりやすい初心者向けの説明やセミナーを得意とする。
【投機筋】(とうきすじ)
株式や為替、商品などの価格変動を利用し、主に短期的な売買をすることで売買差益(キャピタルゲイン)を得ることを目的とした投資家の総称を投機筋といいます。投機筋というのは、例えば為替でいえば外貨が欲しいわけではないが、上がりそうだから買うといった思惑などを手掛かりにした参加者になります。
短期的というのは、わずかな利幅を狙うスキャルピングや1日のうちに売買を完了させるデイトレードを指します。長期保有ではなく比較的短期間での売買差益が目的なので、一定の利益が出ればいつでも利益を確定するという投資スタイルです。ヘッジファンドや金融機関のディーラー、メガバンク、外国の銀行なども運用する部署によっては投機筋にあたります。
市場で最も大きな金額を扱って売買しているのは投機筋との見方もあります。これは世界の1日の為替取引量のうち、貿易取引など実需の取引は10〜20%程度であることから、80〜90%が投機によるものとの解釈のようです。しかし、全体の金額の半分以上が銀行の直物と先物のスワップ取引であるため、投機筋の割合はそれよりも少ないとの見方もされています。ヘッジファンドなどは思惑が高まりやすく、需給関係に影響を与えているとみられており、この思惑が瞬間的に相場を一方向へ振らせているようです。
ワンポイント!
投機筋は思惑的な売買になりますから、参加者の少ない時間帯を狙って積極的に仕掛けてくることもあり、急騰や急落の原因になったりもします。金融機関のディーラーなど仕事でトレードをする人はポジションを保有するケースもありますし、デイトレーダーのように1日で売買を完了させる人もいます。
仕掛け的な動きの後、その反動があるかどうか出来高を見ながらトレードしてみてはいかがでしょうか。また、注目指標の前後では思惑が入り乱れますので、その場合はデイトレードで対応し、結果を見極めてからその後の方向性を判断することをお勧めします。
【実需筋】(じつじゅすじ)
実際の需要に基づいた為替取引を実需といいます。例えば自動車大手のトヨタは、売上の7割を海外で稼いでいます。そのため、ドルやユーロで売った代金を円に換える取引を行ったりします。反対に海外企業は日本での売上を本国に送金するために、円をドルやユーロに換えたりします。これらを実需筋といいます。事業会社や商社などが、これに当てはまります。
なお、信託銀行の年金資金運用部門、投資顧問会社、生保、損保などを機関投資家と総称しています。年金の運用基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は世界最大の機関投資家といわれており、ポートフォリオで外債や外国の証券の割合が高まれば外貨需要が増して為替にも影響を与えます。
その他、企業のM&Aによって生じる外貨需要や、海外旅行に行くときに私たちが円を外貨に替えるのも実需です。取引高全体の10〜20%程度といわれていますが、実需筋の動きが相場の流れを変えることもあり、注目度は高いです。
ワンポイント!
実需の動きで注目されるものの一つに、貿易収支があります。輸出企業は製品を海外で売って得た外貨を、給料の支払いなどのために自国通貨に替えます。輸入企業は海外から製品を輸入した代金を外貨で送金します。そのため貿易黒字の国は通貨高、貿易赤字の国は通貨安となります。日本の場合だと、貿易収支は黒字であることが一般的です。
日本は輸出立国といわれていましたが、2011年〜2014年は貿易赤字で、2015年に黒字転換しました。米国は輸入が多い国で、貿易収支は赤字が通常です。黒字か赤字かだけでなく、金額の大小にも注目していきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2017年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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