【無料全文公開】私がトレードで意識していること[田向宏行]
FXのスキル向上に欠かせないのが、自分自身の意識改革です。専業トレーダーの田向宏行さんには、トレードで安定した結果を残すため常に意識し続けていることがいくつかあるようです。ここでは相場で長く生き残るために、どのような意識を持つべきかレクチャーしていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2017年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
田向宏行さんプロフィール
たむかい・ひろゆき。大学卒業後、資格試験に挑戦するが挫折。就職できず仕方なく起業。事業経営の間に投資を開始。事業譲渡後の現在は個人投資家。FX会社のセミナー企画・構成も手がけている。著書に『臆病な人でも勝てるFX入門』(池田書店)。
損失の回避こそが収益拡大の秘訣!
今回は私がFXトレーディングで意識しているポイントをお話しさせていただきます。私が最も重視するのは、損失の回避です。もう少し正確に言うと、「無駄な損失の回避」です。
FXでは事前にさまざまな準備をしていても、損失を生むことがあります。これは仕方ありません。しかし無駄な損失はいけません。私は攻めのトレードで利益の拡大を追求するより、無駄な損失を抑えて収益を確保していくことを重視しています。
とても保守的に思われるでしょうが、何でも積極的に攻めれば良い、というのは無謀というものです。特にFXは簡単に損をしてしまいます。だからこそ損失をできるだけ小さくすることが収益の拡大には重要だと考えているわけです。
私は学生時代からずっとテニスをしていますが、下手な人は自分の欠点を知らず、無謀で自己中心的な攻めをして自滅するか、基本的な守りができずに負けていきます。しかし体力的・技術的に向上しなくても、戦略を改善するだけで結果はずっと良くなったりします。つまり自滅失点が減るわけです。これはFXでもスポーツでも同じだと思っています。
私が2009年から書いているブログ「虹色FX」も、サブタイトルに「まず損失回避、次に利益を追求する、初心者でも安心なFXトレード」と書くくらい、初心者や素人こそ、早い段階で損失を回避する方法を知ることが重要だと考えています。また拙著『臆病な人でも勝てるFX入門』は分かりやすいFX入門書として中国語訳され台湾でも発売されていますが、本書では損失を回避しながら利益を残し、FXトレーダーとして成長する方法をより具体的にご提案しています。損失回避は私のFXの基本的スタイルなのです。
限られた資金を生かす
FXは限られた資金で始める人がほとんどでしょう。いくら損をしても資金を補充し続けられる人はいないはずです。だから、まず損失を抑え当初の資金を大きく減らさないことが重要なのです。しかし多くの初心者(当時の私も)はこれができません。自分の儲けたいという欲望で、攻めの取引をします。そして儲かることもあれば、損をすることもあるでしょう。ただ残念なことに結果的には損失の方が大きくなる人がほとんどで、9割の人が資金を失いFXから退場するのです。
FX取引で利益を得るためには相場の方向性を読み、エントリーのタイミングを計らなければなりません。何かをちょっとでも見落とすと、見事なほど簡単に損をします。「儲けたい」「取引したい」という欲求を抑えて、取引条件を確かめることで無駄な取引をなくして損失を減らすことが大事だと思っています。
相場の値動きに従う
損失を減らすためには、自分の取引条件、自分のスタイルが重要になります。自分流の根拠のある取引であれば、エントリーとストップ(損切り)は自分の決めたルールに従うことになります。またこのルールには、他人に説明できる合理性が必要だと思っています。なぜ合理性のあるルールが必要かというと、自分の相場観というものは信用できないからです。自分の考えは感情や思惑でバイアスがかかってしまいます。これが失敗の元です。したがって、取引は自分の感情と関係のない客観的な材料に従うべきだと思っています。
誰でも未来がどう動くかなんて分かるはずもありません。予想や相場観は結局自分の感情であり、欲や恐怖が織り込まれます。これが間違いを起こす元凶だと思っているわけです。
流動性も意識して取引することが大切
そこで自分の判断材料、取引条件とするのは値動きでありテクニカルです。ただしテクニカルが機能するためには、一定以上の市場流動性が必要になります。相場は売り買い双方があるから値がつきますし、値動きが起こります。しかし、流動性の低い通貨ペアは売り手や買い手が少ないため、大きく偏った動きになったりテクニカルとは全く違う動きになったりする傾向があります。私は一般に流動性があるドル、ユーロ、円、ポンドの主要通貨と豪ドル、スイスフランを取引していて、リラ、ランド、人民元などはチャートを見たこともありません。
またテクニカルに従うということは、自分だけでなく他人の相場観やファンダメンタルズに影響されてはいけない、ということです。誰かの相場観や情報に左右されていたら、客観的な判断材料を使う意味がありません。
FXを始めた多くの人が相場を予想し、未来を当てようとしますが、それは幻想だと思っています。相場の事実である値動きに従い、損失を回避する手段を講じるのが、私が最も意識する大事なポイントなのです。
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