【無料全文公開】エリア手法の極意 実践編|第4回 許容範囲の考え方と決め方[FXプランナー]
エリア手法の鍵を握る「エリア」を理解したところで、次はもう一つの重要なポイント「許容範囲」について学んでいきます。許容範囲とは何なのか、またそれを決定するための考え方や方法をFXプランナーさんに解説してもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2017年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
FXプランナーさんプロフィール
圧倒的なテクニカル分析と独自の『エリア手法』で相場から利益を上げ続けている投資家。
公式ブログ:http://fxplanner.net/
学んだ手法を全員が生かせるわけではない
前号でエリア手法におけるエリアとはどういったものなのか、またその定義などを説明しました。今回はもう一つのポイントでもある「許容範囲」について解説していきたいと思います。
FXの世界に手法は数多くありますが、どの手法であっても考え方を学んだからといって全てのトレーダーが同じトレードをできるとは限りません。完全に機械化されたEAのようなものでなければトレーダーの性格や感情、理解度など個人差が出る要因が入り込んでくるからです。許容範囲も、そのような個人差の出てくる要因の一つになります。
許容範囲とは何なのか
許容範囲とは「そのトレーダーが一度に受け入れられる損失」のことです。受け入れられるというのはロスカットになったとしても精神的な負担が極力抑えられるということです。
FXで大きな損失につながるメンタル崩壊は一つのロスカットをきっかけに引き起こされますが、自分の許容範囲をしっかりと把握していなければメンタル崩壊につながりやすくなります。もちろんロスカットになるのは全てのトレーダーにとって嫌なことですが、相場で避けられない以上はこのロスカットに対する許容範囲はしっかりと設定しておかなければいけません。
許容範囲を設定するということは、ロスカットライン(エリア手法でいえばロングエリアの下限下抜け、ショートエリアの上限上抜け)までにどれだけ余裕を見るのかを設定するということです。これによってエリア手法の使い方も決まってくるのですが、まずはこの許容範囲の決め方を説明していきたいと思います。
金額とpipsの二つのベースがある
許容範囲を決めるために、一般的には二つのベースがあります。金額ベースなのかpipsベースなのかということです。この二つの違いを見てみましょう。
まずは金額ベースですが、これは「1回のロスカットでいくら損失するのか」ということです。例えば総資産が100万円のAさんが1回のロスカットで総資産の1%の1万円を許容範囲と決めた場合、トレードする枚数によって最終的に許容範囲となるpipsが決まります。Aさんが5枚でトレードしているのであれば許容範囲は20pipsとなりますし、2枚であれば50pipsとなります。
次にpipsベースですが、こちらはまず許容範囲となるpips数を決めることになります。例えばBさんが許容範囲を20pipsと決めた場合、トレード枚数が2枚であれば許容範囲は4000円となり、5枚であれば1万円となります。
このようにして、まずは自分の許容範囲を決めることによって資金とメンタルを管理していくのですが、FXプランナーでは金額ベースから枚数を決定する方法をお勧めしています。
バランスを考えて許容範囲を決定する
FXの目的は「資産を増やすこと」です。もちろんpipsを多く取れるに越したことはありませんが、pipsをどれだけ取れるか競うゲームではないのです。例えば1枚でトレードしている人が1か月で1000pips取った場合は10万円ですが、100枚でトレードしている人が10pips取った場合も同じ10万円になります。FXではpipsも大事ですが、どれだけ資産が増えているかの方が重要だということです。そう考えると、まずは資金管理という意味でも許容範囲を金額ベースから決めるのが良いのではないでしょうか。
1度のロスカットの許容範囲が資産の1%であれば、まずはその1%がいくらなのかを計算します。そうすることによって常に自分の資産に対する損失を意識できるようにもなります。100万円の資産の人が許容範囲を1%に設定した場合、金額は1万円となりますが、その許容範囲で20枚のトレードをしてしまうと耐えられるpipsは5pipsということになります。これではあまりに余裕のない状態となります。
もちろん許容範囲の設定は個人の自由ですが、FXプランナーでは10〜20pipsを推奨しています。その理由としてあまりに小さくしてしまうとエントリー後に余裕がなくなり、また大きく許容範囲を設定してしまうとロスカットになった場合に大きく取り返さなければならないというプレッシャーがかかってくるからです。
先ほどの例で10〜20pipsを許容範囲とした場合、それに対応する枚数は5〜10枚ということになりますが、枚数がこれよりも少ない分には構いません。ただし、その場合も10〜20pipsを許容範囲とするという部分は変えないでください。この許容範囲が決まれば、いよいよエリア手法と合わせて実際に使用していくのですが、それについては次号で説明していきます。
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