外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【今月のテーマ|混迷のコロナ相場を読むのに最適!「ライン分析」で大局観を養う手法】
ライン分析は高値同士を結んだレジスタンスライン、安値同士を結んだサポートライン、過去の安値や高値が集まるレートに水平線などを引く、かなり「アナログ」な分析法です。引き方も人それぞれになる可能性がありますが、自分なりに値動きの行方を囲い込むことで、未来を展望したり、相場観、大局観を持ったりできます。今回は、ライン分析でコロナ相場を展望する手法をご覧に入れましょう。
※この記事は、FX攻略.com2020年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
佐藤正和さんプロフィール
さとう・まさかず。邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。その後、年間取引高No.1を誇る外為オンライン・シニアアナリストに。通算20年以上、為替の世界に携わっている。ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」、ストックボイス「マーケットワイド・外国為替情報」に出演する他、Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
ライン分析で見るドル円トレンドレス相場の今後の想定レンジとは?
世界的に見ると感染者数、死者数ともにいまだ激増中の新型コロナウイルスですが、欧米や中国、そして日本でも経済活動再開の動きが広がっています。感染第二波のリスクもありますが、今後はコロナが世界経済にどれだけのインパクトをもたらし続けるのかに一喜一憂する展開になりそうです。
5月発表の4月米国雇用統計の失業率は14.7%、非農業部門雇用者数は2050万人の減少と、最悪の予想を若干、上回りました。しかし、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」と述べ、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23~24%前後だ」と発言。
一方、失業者のうち、恒久的な解雇(臨時雇用の期間終了を含む)は11%に過ぎず、78%は一時的な解雇のため、コロナが終息し、企業などが通常の経済活動に戻れば早期に元の職場に復帰できる可能性もあるようです。とはいえ、2月に記録した半世紀ぶりとなる低水準の失業率「3.5%」に戻るには、1~2年という年単位の時間が必要かと思います。
そんな中、ドル円に関しては多くの市場参加者が、足元のトレンドレスの相場展開を前に「目先のレンジは106円~108円程度」と考えているようです。ただ、依然としてドルの上値は重く、107円台後半には日足の雲があり、その上には120日移動平均線と200日移動平均線があり、ここを抜けるには108円台半ばをしっかりと上回る必要があります。それでもMACDでは、MACDとシグナルがデッドクロスしており、この点には注意が必要です。
下値の重要なレベルは105円という節目だろうと思います。105円を割り込むようだと、市場のセンチメントががらりと変わる可能性があると見ています。日米金利差の縮小、爆発的に拡大する米財政赤字、発表される経済データの下振れ、さらには今後議論されると思われる新型コロナウイルスの発生源と補償問題にともなう米中関係の悪化など、ドル売り材料を探すのにそれほど苦労は要りません。
今回は、テクニカル指標シリーズとして「ライン分析」を取り上げます。まずは、コロナショック前後のドル円の値動きに、私なりのライン分析をしてみたチャート①をご覧ください。
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