【無料全文公開】私のトレードのルーティーン[不動修太郎]
FXで勝ち続けるためには、自分で決めたルールにしたがって、何度でも間違いなく繰り返すことができる売買の習慣、つまりルーティーンを持つことが大切です。ここでは、不動修太郎さんが欠かさずこなし続けているルーティーンを教えてもらいます。
不動修太郎(ふどうしゅうたろう)プロフィール
為替の講師、執筆者。出版社からセミナーDVD、対談CDを発売。金融取引所、証券取引所、FX業者、投資信託業者などでの講演の他、雑誌への執筆、FX・株式のスクール講師を務めている。
公式サイト:不動修太郎の「ニュース報道の裏側」
twitter:https://twitter.com/syutaro_fudo
ルーティーンとは
ルーティーンというのは、「日常、決まりきった」という意味ですが、スポーツ選手が試合、打席、キックなどの前にある決まった動作をすることを意味することが多いですね。
メジャーリーグのイチロー選手は打席に入ってからバットを片手で垂直に構えますが、打席を待つ時点から常に柔軟体操など決まった動作のルーティーンを繰り返しています。このように一流選手はルーティーンを大切にしています。
ルーティーンはスポーツで良い成績を出した記憶、経験を呼び覚まし、敗北やケガにつながる考え、感情を振り払う効果があるといわれています。
ミスを防ぐ意味でも決まった動作は重要
FXではスポーツと同様に自分のネガティブな感情と戦いながら勝利を目指すので、ルーティーンは大切です。特にスキャルピングと呼ばれる短期間の売買をするFX投資家や銀行等のディーラーは売買回数が多いこともあり、ほとんどの人が売買操作を間違えたことがあるといいます。
私は、初心者だったころにカナダドルを6万通貨買うつもりで誤って60万通貨買ってしまったことがありましたが、そのときは幸いにも発注の直後に誤りに気付きました。為替では将来のレートが上がるか下がるかを常に当てることはできませんが、投資をする際に売りと買いを間違える、一桁多い数量のポジションを発注するなど、大きな損失につながりかねないミスは絶対に避けなくてはなりません。
取引を始める前に
私は体調が悪いとき、他に急ぎの仕事を抱えているときなどには、取引をしないように心がけています。売買の前に心身の準備をするためにインスタント・コーヒーを飲むのをルーティーンとしています。インスタント・コーヒーの味は常に変わらないはずですが、コーヒーの味がいつもと違ったように感じた場合は体調が悪い恐れがあります。そんなときには、FXの取引を控えます。
また相場では、その場の思いつき、単なる勘に頼ったトレードを避けるべきで、自分なりの取引ルールを決め、損切りを徹底することが大切です。そのような自分のトレードルールを紙に書き、トレードの前にいつも読み返すのをルーティーンにしている投資家は多いです。
実際に私が行うルーティーン
ここで実際のドル円の5分足チャートを例に挙げ、私の短期売買のルーティーンをお伝えしましょう。例えば、チャート①の左側の時点ではローソク足が右肩上がりなので、相場が上がると予想したとします。そのときに相場を予想した理由をメモしておきましょう。そうしないとしばらく経つと売買の判断理由を忘れてしまい、その場の感情に任せた投資になりがちです。
チャート上に「買い」と書いた黒い破線のところで上がる可能性が高いと予想し、1ドルが114円ちょうどで1万通貨の買いポジションを持ったとします。その後、予想に反してレートが下がり含み損となる場合を想定して損切りを設定します。私はルーティーンとして、まずは損切りを10pips(0.1円)低いレートに入れます。その後にやはりルーティーンとして、利益を確定する指値を買値の10pips上の114.1円に入れます。
この例ですと損切りに掛かってしまった場合の損失は、0.1円の1万倍ですから、1000円であり、利益確定できた場合の利幅も1000円です。損切りに対して狙う利益幅が少なすぎると勝率が高くてもトータルで利益は積み上がりません。
まず私は損切りレベルと利益レベルを同じに設定し、その直後に相場の状況に応じて、それらのレベルを大きくあるいは小さく調整します。また、相場の動きを予想しながら、ポジションを増やし、より大きい利益を狙います。
以上のように、自分なりの慣れた手順で売買をルーティーンとすることが大切です。また利益ではなく、先に損失金額を計算しておけば、大きい含み損を抱える恐れがなくなります。相場が思わぬ方向に動いてしまった場合に常に備え、口座のトータル損失を把握しましょう。そして少しずつ売買ポジションを増やしていき、コツコツと利益を積み上げてください。
取引を振り返ることも重要!
時として相場が予想と逆に動いてしまうこともあります。そんなときは、私は損切りした後で、じっくりと取引を振り返り、重要なニュースを見逃すなどのミスがなかったか、なぜ予想が外れたのかを調べます。それと同時に、今後の相場予想をするのもルーティーンとしています。
※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです。この記事に記載されている情報は原稿執筆時のものであり、現在のものとは異なる場合がありますのでご注意ください。
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