これからの外国為替場の行方 第125回[田嶋智太郎]
田嶋智太郎(たじま・ともたろう)さんプロフィール
経済アナリスト。アルフィナンツ代表取締役。1964年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、ひいては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」、ダイワ・証券情報TV「エコノミ☆マルシェ」などのレギュラーコメンテータを務める。主なDVDは「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX入門」「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX実践テクニカル分析編」。主な著書は『財産見直しマニュアル』(ぱる出版)、『FXチャート「儲け」の方程式』(アルケミックス)、『なぜFXで資産リッチになれるのか?』(テクスト)など多数。最新刊は『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)。
※この記事は、FX攻略.com2020年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
5月下旬以降の豪ドル円はテクニカルの教科書的値動き
前回更新分の本欄で特に注目した豪ドル円が、その後に一旦大きく上値を伸ばす動きを見せた。3月19日に一時60円割れの水準を試した豪ドル円だが、執筆時点での直近高値までは最大で17円もの戻りを見ている。
そんな豪ドル円の大幅な切り返しのなかで今後の参考にしておきたいと思うのは、まず5月下旬に、それまで重要な節目として意識されていた70円処をクリアに上抜け、同時に一目均衡表の日足の遅行線が日足「雲」を上抜けたところからグンと大きく上値を伸ばしたことである。
また、ほぼ同じタイミングで21日移動平均線(21日線)と89日移動平均線(89日線)のゴールデンクロスが示現し、そこから上げの勢いが増したことも、まさに「テクニカルの教科書通り」の値動きであったと言える(チャート①参照)。
その結果、6月第1週の豪ドル円の週足ローソクは、下から31週移動平均線(31週線)、62週移動平均線(62週線)を次々に上抜け、結局は週足「雲」をも一気に上抜けて長い陽線を描く格好となった。この点については、当時一つに「少々オーバースピード気味ではないか」と率直に感じたことを記憶している。
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