FXと人|Vol.1 蜂屋すばるさん
ファンダメンタルズやテクニカルといった各種分析や、自動売買、システムトレードといった運用方法に目を奪われがちですが、FXの本質は人間と人間の関わり合いで生まれる価格推移です。分析や運用方法が相場を動かすことは決してありません。どんな相場も、動かすのは無数の人です。この企画では、徹底してFXにおける「人」にクローズアップします。第1回ゲストは、平行チャネルトレーダーとして人気を博している蜂屋すばるさん。あえて技法以外について、お話をうかがいました。
蜂屋すばるさんプロフィール
金融トレーダー兼アナリスト。兼業投資家や、初心者に向けて超シンプル&ゆったり手法を発信中。平行チャネルなど、相場にラインを引いてシンプルに分析するスタイルにファンが多い。
●聞き手:鹿内武蔵(FXライター)
※この記事は、FX攻略.com2020年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
——ツイッター、YouTube、ブログで自身の手法や相場観を惜しみなく情報発信するのには何か理由があるのでしょうか。
最大の理由は、自分にプレッシャーを与えるためです。人間はどうしても自分を甘やかしてしまう生き物です。FXトレーダーは常に自分との戦いなので、甘やかした時点で負けです。機関投資家の方であれば、オフィスに出勤すれば上司や同僚がいて、行動が自動で記録され、日報を提出し、常に周りの目がある状態ですが、個人トレーダーの場合そうではありません。誰かに監視されていたり、矯正してもらえる機会がないんですよね。その対策を私なりに考えた結果、「自分の手法や相場観をWebで公開し、誰かに見られる状態にすること」が一番合理的という結論に至りました。誰かに見られている状態、というだけで自分にプレッシャーがかかりますし、変わった行動や甘い考えはできなくなります。自分を甘やかしてしまいそうなとき、「いつも閲覧してくれているフォロワーやブログ読者の方々に、この行動をちゃんと説明できるのか?」と自問自答するようになりました。
おそらく私にとって、YouTubeの視聴者さんやツイッターのフォロワーさんはメンター的な存在なんだと思います。特定の個人ではないけれど、皆さんの存在があるから「誠実にFXと向き合う自分でいよう」と思うことができているし、精神が成熟してきている感覚があります。
私が公開する情報を活用してくださる人たちがいらっしゃる一方で、私自身も皆さんのことをプレッシャーの源として、かつメンターとして利用させてもらっているんです。おかげさまでツイッターのフォロワーもYouTubeのチャンネル登録者数も増えてきました。多くの方から目標とされていることに喜びを感じつつ、やはりプレッシャーは大きいです。
自分に重圧をかけながらさまざまな情報を出しているのは自分を甘やかさないためだけでなく、成長するためでもあります。これが最高の自分だ、と決めてしまった瞬間に成長は止まってしまうので、「伸びしろはまだまだ無限にある」と思いながら動画やブログの更新を続けています。
よろしいですか?