【無料全文公開】私のトレードの時間割[田向宏行]
人それぞれ生活リズムはまちまちであり、トレードできる曜日や時間帯は異なります。また、自身のトレードスタイルがスキャルピングなのかデイトレードなのかスイングトレードなのかによっても、1日のスケジュールは大きく変わってくるでしょう。ここでは専業トレーダーの田向宏行さんに、トレードの時間割を教えてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2017年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
田向宏行さんプロフィール
たむかい・ひろゆき。大学卒業後、資格試験に挑戦するが挫折。就職できず仕方なく起業。事業経営の間に投資を開始。事業譲渡後の現在は個人投資家。FX会社のセミナー企画・構成も手がけている。著書に『臆病な人でも勝てるFX入門』(池田書店)。
午前中はチャートを確認して情報を収集
FXは24時間いつでも取引できるので、「じゃあ、いつ取引するのが一番良いのか」と迷う方もいるでしょう。今回紹介する私の1日が、どなたかの参考になれば幸いです。
知人のトレーダーの中には完全に夜型で、夕方に起きて欧米時間を戦場として朝方に寝る、という人もいます。しかし私は50代のオッサンなので、夜遅い日が続くとだんだん疲れるようになってきました。また、私はトレーダーとしては少し特殊で、FX関連の企画や本誌のように文章を書く仕事もさせていただいています。こうした仕事の打ち合わせは日中に入るので、あまり夜型にならないようにしています。
トレーダーは出社の必要がありません。普段は午前8時から10時ぐらいに腕にした活動量計Fitbitのバイブレーションで起こされます。起きたらまず仕事部屋に移動してチャートをチェックします。簡単にチャートを見て、既にポジションがあればどうなっているかを確認します。東京時間では動かないと思っているので、座り込んで取引を始めることはめったにありません。
ゆっくりブランチをしながら、先月号でご案内した有料メルマガ、ツイッター、モーニングサテライトなどで前夜の情報収集をします。その後は仕事部屋に戻って前日のマーケットをちゃんと見直します。チャートから今後の動きを想定したり、フィボナッチを引いて値動きのメドを把握しておきます。こんなことをしているとすぐに昼過ぎになります。なお、日本の株式市場はほとんど見ていません。
欧州時間に入ったら新規ポジションを作る
私の場合、東京時間に新規のポジションを取ることはほとんどありません。特に月曜日は絶対といっても良いくらいです。アベノミクスや黒田バズーカなど、円がマーケットのドライバーとなっている場合と、リーマンショックやトランプラリーのように世界的に大きな動きがある場合を除き、東京・ロンドン・ニューヨークの三大市場で一番取引の少ない東京市場は動きにくいと考えているからです。
ただし、ポジションの決済は別です。想定と違う動きやテクニカルが戻りそうな形になっていれば、収益を確保する意味で東京時間でも決済する場合はあります。
新規ポジションの取引をするのは主に欧州時間です。このため午後は比較的自由な時間となります。打ち合わせをしたり、テニスに行ったり、買い物をしたり、会社の雑用もします。ただ平日は外出時もパソコンを持っていますし、スマホでのレートチェックは移動中も頻繁にしています。
外出しても夕方を目安に戻ってきます。欧州時間中にチャートが取引を促せば、新規ポジションを作ります。しかし、チャートの形が取引タイミングになるまで時間がありそうなら、アラートを設定してモニター前から離れてリビングで過ごしたり、本を読んで過ごしたりします。
私は拙著に書いたように日足で方向を決め、4時間足か1時間足でタイミングを取るスタイルなので、取引チャンスは毎日あるわけではありません。またチャートが取引チャンスに近い形になってきても、ローソク足数本程度は待つのが当たり前です。タイミングを待つことがトレーダーの一番大事な仕事だと思っているので、その先の動きを想定しながらじっくりチャンスを待ちます。
逆にチャートが崩れ、しばらくチャンスを示さない形なら、欧州時間でもマーケットから離れることがあります。自分の都合でトレードしても、良い結果を生みません。相場に合わせることが大事だと思っています。また既にポジションがあり、十分に利が乗っている場合は、欧州時間でも外出できます。決済は外でもできるからです。
夜は睡眠時間を優先 無理な取引はしない
深夜に重要イベントがある場合も、寝る時間を優先するようにしています。就寝が遅くなると生活が悪循環に陥りやすく、オヤジ世代は疲れが残ります。イベント時に既にポジションを持っていれば、何が起こってもその対応は損切りか利確の決済しかありません。イベント結果をライブで見ている必要はないわけです。
また深夜の大きな急変は、欧州勢も対応できない場合もあります。すると、相場の動きは翌日以降に出るはずなので、欧州勢の動きを確かめてからでも十分です。相場で焦る必要はないと思っています。
私の生活は、健康第一、家族第二、仕事第三という位置づけです。FXで利益を得ても健康を害しては意味がありませんし、家族と疎遠になるのも悲しいものです。健康で家族と共に人生を楽しむためにFXをしているので、睡眠時間をたっぷり取り、この優先順位を間違えないよう、自分の時間割を見直すようにしています。
よろしいですか?