【無料全文公開】私が師匠になるならば[不動修太郎]
FXで収益を上げるためには、日々勉強しながら経験を積んでいくのはもちろん、すでに成功している人から学ぶことも必要です。とはいえ、手取り足取り教えてくれるような師匠的存在を見つけるのはそう簡単ではありません。ここでは不動修太郎さんに、勝てるトレーダーになるための近道を教えてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
不動修太郎(ふどうしゅうたろう)プロフィール
為替の講師、執筆者。出版社からセミナーDVD、対談CDを発売。金融取引所、証券取引所、FX業者、投資信託業者などでの講演の他、雑誌への執筆、FX・株式のスクール講師を務めている。
公式サイト:不動修太郎の「ニュース報道の裏側」
twitter:https://twitter.com/syutaro_fudo
FXのセミナー、スクールは?
普通の投資家が、すぐにFXの師匠を見つけるのは難しいでしょう。そこで、セミナー、スクールを受講してみてはいかがでしょう。まずは、本誌主催のセミナー参加をすすめます。
私は初心者のころ、とあるFXスクールの受講生でした。スクールに参加すると投資に必要な知識が得られる他に、投資仲間ができますね。受講生同士でお互いに投資について語り合い、自分の売買を客観的に考え直す機会を得られるのがスクールのメリットです。
そこで多くの投資スタイルがあると気付き、それらの中から自分のライフスタイルに合った投資方法を取り入れましょう。さらにセミナーや講演会の後に懇親会が開かれることがあり、それは講師や相場の先輩に近付くチャンスです。
私は7年ほど前からFXと株式投資のセミナー講師を務めることが多くなりましたが、セミナーの受講生の中に初心者とベテランがいると、話のレベルをどちらに合わせるべきか悩みます。普通はセミナーや講演会では、一つか二つのテーマに絞って説明することが多いです。
受講するのであれば、事前に内容とレベルをよく調べて、自分に合っていて、しかも興味のあるテーマのセミナーを選ぶことが大切です。
少人数指導のメリット
私がこれまでに多くのFXの投資家を指導してきた中で、FXで安定して勝てない人はいくつかのパターンがあることに気付きました。大きな損失を出す最大の原因は、損切りを入れていなかったということです。
FXの入門書には、「必ず損切りを入れましょう」と書いてありますが、自身で相場に向き合うと損切りを入れず、含み損を大きくしてしまう人が多いです。損切りの大切さは頭では分かっていても、自分自身が相場の予想を外すことは感情的に考えたくないものです。そのために損切りを入れず、含み損が増えると損失を確定させるのが怖くなり、結果としてますます損切りができなくなるケースが多いです。
ですので、FXではポジションを持つと同時に必ず損切りを入れるのが鉄則です。適切な損切りのレベルは相場によって変わりますので、じっくりと時間をかけてマスターしましょう。
その次に多い相場で勝てない原因は、チャートの読み方をよく知らず、値頃感で売買をしてしまうというパターンです。損切りの具体的な入れ方など幅広い投資戦略とメンタルは、説明に時間を要するのでセミナーで短時間に教えるのは難しいです。
スポーツ、武道では勝ちにこだわり、負けない気持ちがメンタルですが、為替相場では常に勝ち続けることはできないので、過去の負けにこだわらず、うまく負けるという考え方を持つことが大切です。
では、ドル円のチャートで具体的な戦略を説明しましょう。チャートのオレンジの曲線は短期の移動平均線であり、青は長期移動平均線です。青い矢印(114.2円)の所で短期移動平均線が長期移動平均線と交差して「ゴールデンクロス」を形成しているので、ドルが上がると予想できますね。
ここでドルの買いポジションを持ちます。実際の投資では、エントリーと同時に損切りのレベルを考えなくてはなりません。このケースでは、前回の安値が1ドル=113.5円ですので、それ以下には下がらないと考えてストップロスをこのレベルに入れます。
エントリーの114.2円と、ストップロスの113.5円との差は0.7円ですね。仮に1万通貨のポジションを持ったとしましょう。もしストップロスにかかったとすると0.7円の1万倍、つまり7000円の損になります。
このストップロスに比べて想定する利益幅が小さいと、売買を繰り返しても利益が積み上がりにくいですから、ストップロスの7000円より大きい値幅を狙いましょう。例えば、青い破線の115.2円で利確すると決め、1万円の利益を狙うのです。
このような損切りと利益確定のレベルを含めたトータルの投資戦略は、理解し、使いこなすのに時間がかかるので、少人数制のセミナーやスクールで伝えるのがベストです。
良き師匠とは?
私がFXを始めたのは、リーマンショックの前でした。そのころの穏やかな相場とリーマンショック後の激しい相場は、全く異なりました。相場が荒れて大きく動く時期には、ポジションサイズを小さくして、こまめに小さい利益を狙っていく投資戦略を採るべきでしょう。相場で勝ち続けるには、知識と実際の相場経験の双方が大切であり、FXの幅広い知識、優れた投資手法とメンタルが重要です。
FXの師匠としては、あなたが勝てない原因や、メンタルと実践的な投資戦略について分りやすく教えることができる、相場経験が長い人がふさわしいといえます。
よろしいですか?