欧州ファンダメンタルズ入門|第14回 ブレグジット交渉延長戦[松崎美子]
松崎美子さんプロフィール
まつざき・よしこ。スイス銀行東京支店でトレーダー人生をスタート。1988年渡英、1989年よりバークレイズ銀行ロンドン本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年に同じくロンドン・シティにある米メリルリンチ投資銀行に転職。その後2000年に退職。現在はFX取引に加え、日本の個人投資家向けにブログやセミナー、YouTubeを通じて欧州直送の情報を発信。著書に『松崎美子のロンドンFX』『ずっと稼げるロンドンFX』(共に自由国民社)。2018年より「ファンダメンタルズ・カレッジ」を運営。DMMで「FXの流儀」のオンラインサロンも始めた。
ブログ:http://londonfx.blog102.fc2.com/
ファンダメンタルズ・カレッジ:https://fundamentals-college.com/
オンラインサロン:https://lounge.dmm.com/detail/1215/
※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
追加交渉では歩み寄り見えず
6月末に英国が移行期間の延長はやらないと決定したため、泣いても笑っても今年いっぱいで、欧州連合(EU)との離脱交渉は打ち切りとなります。それまでに合意できれば問題ありませんが、EUも英国も歩み寄りを見せず、厳しい状況が続いています。
例年であれば夏休みのバカンス真っ最中の8月中旬。新型コロナウイルスのパンデミックによる移動制限もあり、今年はEUと英国それぞれの交渉関係者がブリュッセルに集まり、7回目の交渉を行いました(図①)。結果は、双方が主張を曲げず、合意ならずでした。
EUと英国、譲れないところ
いったいどんな問題が、合意を妨げているのでしょう? それについて調べてみると、四つありました。
よろしいですか?