荒野浩の相場を極める相場を楽しむ|第9回[荒野浩]
荒野浩さんプロフィール
1971年日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社後、調査部でアナリスト業務に従事。米国勤務を挟み一貫して、日本株の情報・市場分析を行う。1996年に運用会社(現アセットマネジメントOne)に転籍、調査部長・運用部長を経て、常務取締役投信運用本部長を歴任。2012年に退職。その後はTV、ラジオ出演などで活動。日本株を中心とした市場分析の経験は半世紀に及ぶ。
メルマガ:https://www.gogojungle.co.jp/finance/salons/8812/
※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※データは2020年8月末日時点までのものになります
今年前半を振り返ると、良くも悪くも新型コロナウイルスに振り回された感があります。その環境下で世界の主要国が史上初めてといっていいくらい、一斉に財政拡大、超金融緩和に走りました。しかも、その異次元の状態が長期化する見通しになっています。
前向きに捉えるなら、リスクオンで「株式選好」と判断していいと思いますが、うがった見方をするなら、株式を売らないことが世界の潮流とも考えられます。
ナスダック指数が6~8月の間に計25回最高値を更新しています。最高値更新初期の時点で大型ハイテク株を売却してしまった投資家は、買い戻す機会を与えられていないことになります。株式を安易に売ってはいけないという雰囲気が世界中で醸成されても仕方がないと考えます。
昨年秋から今年の始めもそうでしたが、米国株が最高値を更新している局面では日本株を売る力も減退し、日本株の値もちも良くなります。現在の政策・経済環境が続くなら、世界株高は続くと想定されます。米国金利・米国物価に変調の兆しが出るまではナスダック指数をリード役とする株高の流れは変わらないと考えます。
今月号では、「景気循環と株価」をテーマに、長期的な日本株の水準、過去3年の値動きから日経平均の実力の株価水準を見て、ファンダメンタルズの動向からも株価の底割れ懸念が薄くなっていることを見極めていきたいと思います。
Is it OK?