素材価格から見るコロナ禍[佐藤りゅうじ]
佐藤りゅうじさんプロフィール
さとう・りゅうじ。1968年生まれ。1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業、アナリストレポート等を執筆、「FOREX NOTE 為替手帳」等の企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組キャスターを務める。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。ラジオ日経「ザ・マネー オノサトの相場予測」(月曜15:00〜)メインキャスター。
公式サイト:佐藤りゅうじブログ
※この記事は、FX攻略.com2020年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
銅と木材をクローズアップ
新型コロナウイルスの影響を受けて、今年3月、米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ主要国の中央銀行は超緩和政策にかじを切りました。FRBのバランスシートを見ると、今年3月の4兆ドルから7兆ドルにまで急拡大しています。
今回は、日常生活ではあまり注目されることのない素材価格、特に銅と木材にスポットを当て、コロナ禍の中、両商品に何が起きているか見ていきたいと思います。
景気のバロメーター銅
まずは銅から見ていきましょう。銅は耐腐食性、導電性、熱伝導性、殺菌性、加工性などに優れているため、電線・電子機器のパーツをはじめ、さまざまな用途で使われ、多くの産業を支える存在です。そのため銅需要は、住宅、公共インフラ、製造業の実態を映し出します。
一方、供給は安定しており、需要の増減が比較的素直に価格に反映されることから、銅価格は「景気のバロメーター」と呼ばれます。現在、銅需要の半分以上が中国であり、銅の国際指標価格となるのはロンドン金属取引所(LME)に上場されている銅3か月物です。
よろしいですか?