これからの外国為替場の行方 第128回[田嶋智太郎]
田嶋智太郎(たじま・ともたろう)さんプロフィール
経済アナリスト。アルフィナンツ代表取締役。1964年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、ひいては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」、ダイワ・証券情報TV「エコノミ☆マルシェ」などのレギュラーコメンテータを務める。主なDVDは「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX入門」「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX実践テクニカル分析編」。主な著書は『財産見直しマニュアル』(ぱる出版)、『FXチャート「儲け」の方程式』(アルケミックス)、『なぜFXで資産リッチになれるのか?』(テクスト)など多数。最新刊は『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)。
※この記事は、FX攻略.com2020年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
ユーロドルの弱気転換は大台到達の達成感も一因
本稿が読者の皆様の目に留まる頃、欧米における新型コロナウイルスへの感染再拡大に、果たして歯止めは掛かっているだろうか。むろん、歯止めが掛かっているとすれば、それは再び厳しい営業規制や行動規制を広範に実施した結果であると考えられ、そのマイナスの影響はいずれ確実に明らかなものとなろう。
本稿執筆時、英国やフランスの新規感染者数は過去最多を記録している。すでに、両国の大都市部では一部の飲食店の営業時間を制限するなどの措置を講じ始めており、これは「いつか来た道」でもある。当然、各国・地域の景気の先行きが案じられることとなり、製造業や非製造業の購買担当者景気指数(PMI)なども悪化する。
実際、9月のユーロ圏の総合PMIは前月比マイナス1.8ポイントの50.1となり、4月以降の回復ペースは一旦途切れた。そして、こうした現実を横睨みしながら9月初旬以降、執筆時までのユーロドルは弱気のトレンドに転じている。
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