4色問題[森晃]
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森晃さんプロフィール
エコノミスト。シンクタンク(アメリカ合衆国)に所属。専門分野は、為替政策、金融政策、マクロ経済政策、金融規制。市場関係者、金融当局者、政策当局者と交流し、多方面から為替の動向について分析を行っている。
※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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数学者であるフランシス・ガスリーが、英国の地図を塗り分けているときに、4色あれば隣り合う国同士が異なる色になるように塗り分けることができることに気づき、4色あればどんな地図でも隣り合う国々を違う色に塗り分けることができるかとの問いを立てた。これを「4色問題」という。この問いは、1976年にケネス・アッペルとヴォルフガング・ハーケンによって可能であることが証明されている。
レバノンを知ろう
レバノンは、北と東はシリアと国境を接し、南はイスラエルと国境を接している中東の国である。その首都ベイルートで、不適切に管理されていた硝酸アンモニウムが引火して大爆発し、多くの犠牲者と負傷者を出す大惨事となったことは読者の皆さまも記憶に新しいであろう。
1975年、レバノンで内戦(イスラム教徒とキリスト教徒の衝突)が勃発するまでは、首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれるほど華やかな街で、商業、金融、観光の主要な中心地であった。1982年、イスラエルがパレスチナ解放機構(PLO)を追放する目的で侵攻したことで、イスラエル軍はヒズボラ(イスラム教シーア派の武装組織)と軍事衝突を繰り返し、首都ベイルートは戦闘により破壊され、復興費用によりレバノンの財政は非常に厳しいものになった。
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