天然ゴム急騰、ラニーニャ現象[佐藤りゅうじ]
佐藤りゅうじさんプロフィール
さとう・りゅうじ。1968年生まれ。1993年米大卒業後、マーケティング会社を経て、金融・投資全般の情報ベンダー、株式会社ゼネックス(後の株式会社オーバルネクスト)入社。マクロ経済分析をはじめ、為替、商品、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年より「エイチスクエア株式会社」を起業、アナリストレポート等を執筆、「FOREX NOTE 為替手帳」等の企画・出版を行う傍ら、投資関係のラジオ番組キャスターを務める。個人トレーダー。国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト。ラジオ日経「ザ・マネー オノサトの相場予測」(月曜15:00〜)メインキャスター。
公式サイト:佐藤りゅうじブログ
※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
ゴムが12年ぶりの安値からの急回復
天然ゴム相場に異変が起きています。コロナ禍の中、今年4月には、12年ぶりの安値に沈んだゴム価格ですが、夏から秋にかけて、中国需要の回復や天候要因から地合いを引き締め、10月に入ると暴騰しています。
まず今年のコロナショック以降のゴム相場について、ゴムRSS3号先限(呼び値1キログラムあたり円)のチャートを見ながら簡単に振り返りましょう(チャート①参照)。新型コロナウイルスが中国の武漢市で発生すると、ゴム価格は急落を開始し、1月21日に大節の200円を下抜くと、2月4日には165.6円まで下落しました。1月17日からわずか13営業日で20%超の急落です。
2月21日には190.4円まで戻しますが、新型コロナウイルスが全世界に拡散すると、その後はほぼ一方的な下げ相場となり、4月2日には、2009年3月17日以来、約12年ぶりの安値となる138.3円まで水準を引き下げました。2か月半で33.7%の下落です。その後、150円~160円を中心としたもみ合いとなっていました。
よろしいですか?