“需給の鬼”こと井上哲男の相場の潮流〜プロの市場分析ノウハウと注目銘柄が分かる!|第10回
井上哲男さんプロフィール
いのうえ・てつお。スプリングキャピタル社代表、日本証券アナリスト協会検定会員。上智大学卒業後、国内保険会社の運用部門長を経て、(現オールド・ミューチュアルグループ)UAMジャパン・インクのチーフ・ストラテジスト兼日本株式運用部長に転身。その後、プラウド投資顧問、アジア最大級のファンド・オブ・ファンズの運用会社であるMCPグループなどで同職を務めた後、独立。“需給の鬼”と呼ばれ、日経CNBCテレビ「夜エクスプレス」「〜攻めのIR〜MarketBreakthrough」、ラジオNIKKEI「アサザイ」などのパーソナリティも務めている。
オリジナルのテクニカル分析や需給動向により、独自の視点から株式相場(株式指数)の方向性を分析する井上氏のメルマガ「相場の潮流」、井上氏とBコミさんこと坂本慎太郎氏が相場解説、ピックアップ銘柄の紹介を行う動画スクール「勝者のスクリーニング-株ハイブリッドバトル-」がGogoJungle(ゴゴジャン)から好評発売中。
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※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
長期的には財政と金利がテーマに
10月から翌年9月までが米国の会計年度(財政)であるが、この9月までの1年間の米国財政赤字は3兆1320億ドルとなった。これは、リーマンショック時の約1.4兆ドルの倍以上であり、1年で赤字額が一気に3倍にも膨らんだことにもなるが、この赤字額は今春の施策であった「新型コロナウイルスに対するパッケージ」の金額にちょうど一致する。これにより、連邦債務は27兆ドルに膨らんだが、毎年公表されるこの連邦債務の国内総生産(GDP)比率は明らかにされなかったものの、その比率は120%を超えたと推測される。
今回、追加の経済対策の実施時期が市場の材料となったのには理由がある。それは、深刻な経営難に見舞われている米航空会社が、上述の新型コロナウイルスに対するパッケージを受けて、人員削減を自粛していた期日が10月1日であったからだ。
よろしいですか?