欧州ファンダメンタルズ入門|第16回 長期金利と通貨の関係[松崎美子]
松崎美子さんプロフィール
まつざき・よしこ。スイス銀行東京支店でトレーダー人生をスタート。1988年渡英、1989年よりバークレイズ銀行ロンドン本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年に同じくロンドン・シティにある米メリルリンチ投資銀行に転職。その後2000年に退職。現在はFX取引に加え、日本の個人投資家向けにブログやセミナー、YouTubeを通じて欧州直送の情報を発信。著書に『松崎美子のロンドンFX』『ずっと稼げるロンドンFX』(共に自由国民社)。2018年より「ファンダメンタルズ・カレッジ」を運営。DMMで「FXの流儀」のオンラインサロンも始めた。
ブログ:http://londonfx.blog102.fc2.com/
ファンダメンタルズ・カレッジ:https://fundamentals-college.com/
オンラインサロン:https://lounge.dmm.com/detail/1215/
※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
長期金利を為替取引に生かす
長期金利を決定するのは中央銀行ではなく、その国の国債を買ってくれる投資家たちや、外貨準備金の一部として購入してくれる他の国の中央銀行です。つまり、長期金利というのは、それぞれの国債の人気投票のようなものであることを、先月のコラムでご説明しました。
それでは、中央銀行でさえコントロールできない長期金利を、どのように為替に生かせば良いのか考えてみましょう。
数年にわたりFX取引をしている読者の皆さんであれば、「米長期金利が上昇したので、ドルが強くなった」とか、「ドル円は米国の長期金利と共に上昇した」などという話を耳にしたことがあるでしょう。確かに、ドル円という通貨ペアは米国の金利動向の影響を非常に受けやすく、「ドル円と米長期金利は相関関係にある」といわれています。
よろしいですか?