金融リテラシーが身につく YEN蔵の投資大学(アカデミア)|第12回[YEN蔵]
YEN蔵さんプロフィール
えんぞう。米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。現在はトッププロトレーダーとして為替、日経平均、日経オプション、個別株の取引を行う。投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨を始めとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。
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※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
米国の住宅市場
米国の国内総生産(GDP)統計にはいくつかの項目があります。その中で最大のウェートを持つのが個人消費です。個人消費は米国のGDPの70%ほどを占めます。その次にウェートが高いのが政府支出で17%ほど、設備投資が13.5%ほど、純輸出(輸出-輸入)が−3%、住宅投資が4%です。
この中で住宅投資は乗用車購入を除く耐久財消費財との相関が高い投資です。住宅は景気との相関のサイクルがあります。不況になると政策金利が引き下げられますから、長期金利が低下して住宅ローンの金利も低下します。そうなると家賃を払っているよりも住宅を購入する方が有利になるので、住宅購入を考える人々が増えます。そのことを住宅のディベロッパーは知っていますから住宅供給が増えてきます。住宅着工件数や住宅建築許可件数が増加してくると、住宅資材の発注が行われ、木材、レンガ、セメント、配管などの多くの業種が潤ってきます。このサイクルが繰り返されています。
そして、好況が続くと金利は上昇しますし、住宅価格も上昇しますから住宅建築はやがて減少していきます。住宅を取得することは米国の人にとっては夢であり、一種のアメリカン・ドリームですが、おいそれとは手が出ない高額なものです。米国にはいくつか住宅に関する指標があります。今回はこの米国の住宅に関する仕組みをご紹介します。
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