【無料全文公開】トラッキングトレード入門|第9回 トラッキングトレードにできて、裁量トレードにできないことを活用してみよう[斉藤学]
斉藤学さんプロフィール
サラリーマンをしつつ、独自の手法を開発したFXで短期間に爆発的な利益を獲得。その経験を基に、書籍やDVD、記事執筆、セミナー講師など、多方面でFX情報を配信中。著書に『マナブ式 FX トラッキングトレード入門』(実業之日本社)など。
公式ブログ:https://fxblog1.com/
※この記事は、FX攻略.com2017年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
相場の7割はレンジ
FXは、相場の7割がレンジ(ボックス相場)だといわれています。相場は大きく分けると、上昇または下降するトレンド相場、一定の値幅の中を推移するレンジ相場に分かれているのですが、FXの世界ではトレンドが発生している相場は3割程度です。つまり、1ドル100円から105円へ上昇するトレンドよりも、1ドル100円から102円のレンジ内で推移している時間の方が長いのです。
年足や月足などの大きな時間軸ではそうでもないのですが、時間足や分足など時間軸が短いほど同じところを行ったり来たりしている時間が長くなります(図1)。なぜレンジが多いかといえば、為替市場の1日の取引総額は約5兆ドル(約500兆円)、日本株の1日の取引総額約1〜2兆円に比べると200倍以上もあり、レンジ相場を突破するために必要なエネルギーも膨大なものとなるからです。
今年の「米ドル/円」であれば、年初の1ドル120円付近から一時99円台まで20円以上下落している中で、116〜118円、110〜114円、106〜110円、100〜106円のレンジ相場が続いていることが分かります。「米ドル/円」が20円以上下落したといっても常に下がっているわけではなく、下がった後しばらくレンジ相場が続き、また下がった後もレンジ相場が続くという流れになっていて、この間にレンジ相場を挟むという流れは上昇トレンドでも同じです(図2)。
トラッキングトレードでレンジ相場を攻略!
もちろん、FXを行う上でトレンドに乗ることは重要なのですが、全体の7割を占めるレンジ相場を有効活用できないかと考え出されたのが、FXブロードネットのトラッキングトレードです。
トラッキングトレードは、注文時に指定した想定変動幅でシステムが自動的にIFDO(イフダンOCO)注文を繰り返し、細かく売ったり買ったりしてくれるので、相場の局面ごとに発注タイミングを見極めたり、何度も発注操作をするような煩わしさからトレーダーを解放してくれます。
しかも、仮に買いから入ったとして、想定変動幅を超えて相場が値上がりしてしまった場合には、利益確定の決済をしながら、想定変動幅の下限を切り上げて追いかけていってくれます。反対に、想定変動幅を超えて値下がりしてしまった場合でも、一番不利なポジションを損切りしながら仕掛けるレンジを切り下げていきます。このように、トラッキングトレードは「相場追尾型」になっているので、相場が想定変動幅を超えてしまったときもリピート注文の設定がそれに合わせてくれるようになっているのです。
1度の注文で相場を追尾
ところで、もしこれを裁量でトレードを行っていたら、どうなっていたでしょう。1ドル120円から100円の大台を割れるまで、ショートポジションを持ち続けることができたでしょうか?
「米ドル/円」のレートが日々変動する中、安値から5円以上反発する場面もあったので、保有し続けるというのはなかなか難しかったのではないかと思います。一方、トラッキングトレードであれば、注文の発注や決済が自動的に行われるため感情に左右されることはありません。
仮に持ち続けることができたとしても、下降トレンドのうちの7割がレンジ相場なので、その期間は時間を無駄にしていることになってしまいますね。今年は、2か月程度のレンジ相場が何度か続いていますが、トラッキングトレードであればその期間も利益を増やすチャンスにすることができました。
裁量トレードでも、リピート注文を繰り返せば似たようなトレードは可能です。しかし、それでは24時間画面に向かってトレードしなければならないため、現実的ではありません。しかし、トラッキングトレードは一度設定を行えばあとは自動で売買を繰り返してくれるため、これまで逃していた利益が確保できることになります。
トレードで勝つためには、エントリーポイントの見極めや損切りなどの「ルールを守る」のが必須ですが、トラッキングトレードは常に同じルールで機械的にトレードしてくれます。デイトレード派も、この方法なら試す価値はあるのではないでしょうか。
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