外為オンライン・佐藤正和の実戦取引術|3大通貨の未来を予測するテクノ&ファンダ分析【2021年はドル高、それ以上の豪ドル、NZドル高が続く可能性も! 】
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株高や米国バイデン大統領の大規模経済対策もあり、米長期金利の上昇→ドル高の流れが今年のメイントレンドになりそうです。2020年のドル安トレンドから一転、ドル高ですから、売買戦略も180度切り替える必要がありそうです。動きの読みづらいドル円は捨て、強い上昇トレンドが発生している豪ドルやNZドルを狙うのも一つの考え方でしょう。
※この記事は、FX攻略.com2021年5月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
佐藤正和さんプロフィール
さとう・まさかず。邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。その後、年間取引高No.1を誇る外為オンライン・シニアアナリストに。通算20年以上、為替の世界に携わっている。ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」、ストックボイス「マーケットワイド・外国為替情報」に出演する他、Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
1ドル108円も!? ドル高トレンドの背後にある「リーズ・アンド・ラグズ」とは何か?
2021年も3か月弱が過ぎましたが、高値を勢いよく更新する株価を横目に、為替市場では引き続き穏やかな展開が続いています。2020年のドル安に替わって、年初には米長期金利の上昇で一転ドル高が進みました。1.9兆ドルに達するバイデン政権の緊急経済対策にともなう米国債の増発に加えて、堅調な株式市場にリスク選好マネーが流入していることが、債券の売り圧力になっています。今後も株式と債券市場の動きが為替に大きな影響を及ぼす流れは続くと思われますが、米長期金利がどこまで上昇するのか、見極めていく必要があります。2月上旬には、米国30年債の利回りが約1年ぶりに2%を超えました。
一方で、イエレン財務長官も米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も、2020年2月に比べて雇用者数が1000万人近く下回っている現在の米国労働市場に対する憂慮を表明。バイデン大統領の超大型財政出動を強く後押ししています。
現状の為替相場では「有事のドル買い」があったかと思えば、今度は「リスクオンでドル買い」と、個人投資家泣かせの相場展開が続いています。いずれにしても、今年に入り、「思った以上にドルが強い」といった考えが、じわじわと浸透して、市場関係者の「相場観」も変更を余儀なくされている状況です。
やっかいなのは、ドル高の勢いが緩やかなため、なかなかドルのショートポジションを切る決断が下せないことです。一気にドル高が進めば、それなりに損失を確定させる気にもなりますが、足元の状況は、ドル買いの勢いが緩慢で、さらに東京時間ではドルの上値が重いものの、NY時間を終えて帰ってくると一段とドルが買われている状況です。
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