【扉を開いて】運輸株 トランスフォーム
株式
2021年4月18日(日)晴れ
・運輸株 トランスフォーム 航空・鉄道・・・逆境が生む跳躍力
新型コロナウイルスの感染拡大が、エアラインをはじめとした運輸業を未曽有の危機に陥れてから1年経過。
この間、国境を越える国際的な人の動きはほぼ途絶。
国内の移動もコロナに翻弄される状況が続き、コロナ前と比べると、足元でも航空の回復は3~5割程度にとどまる。
それでも飛行機が「満席」になるのは、大幅な減便と座席数の絞り込みが主因。
「人為的満席」ともいえる状況で、このこと自体が航空会社の苦境を表している。
・運輸株 トランスフォーム 航空・鉄道・・・逆境が生む跳躍力
この危機を乗り越えた先には、業績の急激な拡大という光があるとみる市場関係者は少なくない。
全日空を傘下に持つANAHD <9202> [終値2459.5円]は保有機材を大型機を中心に削減したほか、人件費を抑制。
2021年度に固定費を中心にコストを2500億円圧縮する。
日本航空 <9201> [終値2286円]20年度の固定費を当初計画より1200億円以上減らした。
両社ともコロナ前の連結営業利益で1600億~1800億円規模を確保していたことからすると、巨額の費用削減に。
航空会社はほかの産業に比べると、固定費の比率が圧倒的に高いのが特徴。
逆に言えば、売上高が損益分岐点を上回ると、その多くを利益として取り込むことができる。
コロナショックは損益分岐点を大きく引き下げるきっかけとなり、
それゆえに需要回復時の利益積み上げのカーブが急激になるという期待が高まっている。
ANAHDとJALは23年3月期に500億円を超える最終黒字に転換する見通し。
・運輸株 トランスフォーム 航空・鉄道・・・逆境が生む跳躍力
鉄道も改革に取り組むという点では航空と似通う。
JR東海 <9022> [終値15925円]あるアクションに着目。
JR東海は一部区間で新幹線回数券の販売を終えた。
インターネットによる切符購入が浸透してきたことが理由。
紙の回数券の縮小は「空席状況などに応じて価格を大胆に上下させる施策(ダイナミックプライシング)への布石になる可能性がある」と。
コロナ禍は従来の運輸業をトランスフォーム(変化)させる触媒となった。
航空と鉄道は収益構造の抜本的な変革に取り組み、
ネット通販などの需要が急激に膨らんだヤマトHD <9064> [終値2952円]などは、最大課題である費用コントロールの最適解を模索する。
・運輸株 トランスフォーム 常態化する貨物>旅客
新型コロナウイルス禍が2年目に入り、運輸業界では貨物>旅客が常態化してきた。
物流は需要急増にどう対応するのか。「変貌」が問われる。
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