シン・カワセの力学
株式
2021年4月25日(日)晴れのち曇り
・シン・カワセの力学 円相場、米金利・ワクチンで動き出す
対ドルで値幅の小ささから「動かぬ円」と揶揄されてきた円相場がにわかに動意。
3月の高値と安値の差は約5円と、2円程度だった20年後半の2倍強に広がった。
年初からは8円30銭ほど動き、膠着相場に慣れきっていた市場参加者を驚かせた。
・シン・カワセの力学 円相場、米金利・ワクチンで動き出す
色めき立ったのが国内の為替証拠金(FX)取引手掛ける個人投資家「ミセスワタナベ」。
収益機会を求めて新興国通貨などに流れていた投資資金がドル・円取引に還流。
金融先物取引協会によると「ドル・円」取引の建玉合計は3月に前年同月比2割増。
・シン・カワセの力学 円相場、米金利・ワクチンで動き出す
現在の金融市場の最大のテーマは「コロナ禍からの経済正常化」。
コロナワクチンの普及や消費の戻りの強さから、米国での景気回復や金利上昇を見込む声は根強い。
米長期金利が上がり始めたことで市場の芽が再び金利差に向き始めた。
・シン・カワセの力学 円相場、米金利・ワクチンで動き出す
21日にはカナダ銀行(中央銀行)がテーパリング(量的緩和の縮小)を決め、外為市場でカナダドルが上昇。
カナダも米国と同じくワクチンの普及で先行し、正常化にいち早く動き出した。
金利とワクチンの普及度は世界の外為相場を動かしつつある。
・シン・カワセの力学 円相場、米金利・ワクチンで動き出す
一方、日本はワクチンの普及で後れを取った。
経常黒字や対外純資産の大きさは変わっていないが、その影響力は低下。
「安全通貨」としての日本円の地位も揺らぎつつある。
世界最大の対外純資産を擁する日本だが、その中身はこの10年ほどで様変わりした。
膨らむ公的債務も円の地位低下に拍車をかける。
・シン・カワセの力学 円・ドル膠着破った2つの力
新型コロナウイルスのワクチン接種が世界で進む中、外国為替市場では相場を動かす力学が変わりつつある。
景気回復期待を背景に上昇する米国の長期金利が再び脚光を浴びる一方、経常収支などの「需給」は影響力を弱めている。
「安全通貨」としての円の地位には陰りもみえる。
・シン・カワセの力学 円・ドル膠着破った2つの力
影響力UP 米長期金利、再び主役に カギ握る「実質」、ドル高再燃に現実味。
静けさを取り戻した米債券市場を点検すると、
焦点は米経済の力強さと米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の今後をどう占うか、とうい原点に立ち戻る。
波乱要因は引き続き、FRBと市場との対話に。
過度の利上げ観測は落ち着きつつあるものの、量的緩和の縮小を意味する「テーパリング」に関しては、
市場に少しずつ織り込ませるという難しい作業が待ち受ける。
米経済が日本を含めた他の先進国に先駆けて正常化に向かう限り、FRBが金融政策の転換に動く時期はじりじりと迫る。
米金利には折に触れ上昇圧力がかかるのはほぼ間違いない。
ドル高が再燃するシナリオは十分に想定される。
・シン・カワセの力学 円・ドル膠着破った2つの力
影響力UP ワクチン接種とも連動 英ポンド上昇突出/円やユーロは軟調
各国のコロナワクチン接種状況も材料視されている。
国内でワクチンが普及して集団免疫を獲得すれば、消費の回復などで経済が正常化に向かう。
実体経済が回復すれば、歴史的な緩和局面にある金融政策も出口に向かい始め、金利の上昇が通貨高に寄与するー。
市場参加者が描くのはこんなシナリオ。
英国のワクチン接種回数は100人当たり約60回と、先進国中トップで英ポンドの上昇率が3%と突出。
接種回数60回弱の米国や24回のカナダの通貨も1.9%上昇。
日本は100人当たり接種回数は2回に満たず、円の名目実効為替レートは年初から4%超下落。
ユーロ圏や韓国も同じく接種が遅れており、通貨は下落基調にある。
ワクチンに対する市場の関心が強いうちは、円の上値を抑える要因となる可能性がある。
・シン・カワセの力学 円・ドル膠着破った2つの力
影響力DOWN 貿易・投資・・・「実需」の影薄く
増える直接投資、「有事の円買い」起きにくい
金利差や新型コロナウイルスのワクチン接種率や外国為替市場での存在感を増すにつれ、その影響力が低下してきたのが「実需」と呼ばれる取引。
相対的にリスクが小さい「安全通貨」で、国際紛争や恐慌などの「有事」に強いとされてきた円の特性も変わってきた。
市場心理が悪化した局面で円が買われやすいのは、日本が世界最大の対外純資産国であるという事情。
有事の際は日本の投資家が保有する海外資産を売って円に替えるため、
円高・ドル安につながるとの連想を働かせた投機筋が円買いを入れることで「リスクオフの円高」が演出されてきた。
ただ、この対外純資産の変化に目を凝らすと、有事の円買いが起こりにくくなっていることがわかる。
世界に先んじて消費が回復する米国では輸入が堅調で、2月の貿易赤字が単月で最大となった。
輸出国は代金として獲得したドルを売って自国通貨を買う。
これがドル安を招き、円高につながる可能性もある。
・シン・カワセの力学 円・ドル膠着破った2つの力
影響力DOWN 「円安→株高」崩れる図式
生産拠点の海外拠点で、円売り加速の恐れ
円相場と日本株の関係も変わりつつある。「円安→輸出企業の採算改善→株高」という図式は、ここ数年で崩れてきている。
かつては円安が進むと日本株が上昇するとの連想から、外国人投資家が円を調達して日本株を購入した。
つまり「円安=株高」の時代は、外国人投資家の円買いが円安に歯止めをかけていた。
だが、この図式が崩れた今、いったん円安が進みだすとブレーキがかからずに加速する恐れがある。
・シン・カワセの力学 様々な外貨運用、現状は?
外貨投資には様々な方法がある
外国紙幣への両替 長所:両替の手続き簡単。支払いに使うことが出来る。 短所:手数料が高い。金利がつかない。盗難リスク
外貨預金 預けた外貨を送金や決済に使うことが出来る 手数料が高い。普通預金の金利は低い
外貨建てMMF 手数料が割安。 金利は比較的低い
外貨建て債券 手数料割安。金利が比較的高い。 利払いの遅延や債務不履行のリスクがある。
FX取引 手数料が非常に安い。外貨の売りから始められる。 為替差益が大きい代わりに為替差損も大きくなる
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