コロナ相場3.0の航海術
株式
2021年5月4日(火)晴れ (5/2発行分)
・コロナ相場3.0の航海術 グロース・バリューの先、実力銘柄を探す
日本株の上値が重い。
日経平均株価は2月中旬に30年半ぶりに3万円の大台に回復したが、その後は徐々に水準が切り下がり、最近は2万9000円前後でもみ合う。
4月に入り米S&P500種株価指数が6%上昇に対し、日経平均は1%下げ、出遅れ感が強まっている。
・コロナ相場3.0の航海術 グロース・バリューの先、実力銘柄を探す
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、東京と大阪、京都、兵庫の4都府県には4/25から3回目の緊急事態宣言が発令された。
新型コロナのパンデミック(世界的な流行)以降の相場は、2つのフェーズにわけられる。
まず、各国中央銀行による4大規模な金融緩和で金利が急低下し、米国のGAFAMに代表されるグロース(成長)株が優位となった20年夏ごろまでの期間。
次に米ファイザーなどのコロナワクチンの有効性が確認された20年秋以降の相場。
そこでは、PBR(株価純資産倍率)などから見た割安株が強いバリュー銘柄ほど株価が上がるという現象。
緩和的な金融環境が続く中、マクロ経済全体の動きだけを見て、景気への敏感性が高い銘柄をまとめて買うというトレードが広がった。
この傾向は21年に入って加速。
・コロナ相場3.0の航海術 グロース・バリューの先、実力銘柄を探す
もっとも、20年末に0.9%台だった米長期金利が今年3月には1.7%台まで急上昇。
米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)が良しくされるようになり、物色の一方向への偏りが強い相場は終焉を迎えつつある。
・コロナ相場3.0の航海術 グロース・バリューの先、実力銘柄を探す
「どん底から希望を追い求めてきた相場を抜け、業績成長を確認するフェーズに移ろうとしている」。ゴールドマン・サックス証券ストラテジスト。
QUICKコンセンサスDIは3月、9カ月ぶりに前の期比低下。業績の改善期待と株価上昇が並走した希望の局面とは、前提条件が変化。
コロナ相場の第1幕、第2幕では相場を上昇させるテーマに沿った銘柄に投資すればよかったが、第3幕での投資戦略は大きく異なる。
「コロナ相場3.0」の進み方を検証する。
・コロナ相場3.0の航海術 霧の海 針路見失わぬために
日本株の不透明感が強まっている。全体業績の回復支えに上昇見込む声は多いものの、その角度は緩やかなものにとどまるとの見方が大勢。
銘柄選び 3つのコンパス 「低ボラティリティー」「ROE(自己資本利益率)8%以上」「PER(株価収益率)20倍未満」
収益率の「質」が高いのに、株価が割安な主な銘柄
トヨタ <7203> [終値8127円]時価総額27兆78億円 ROE 10.6% PER 11.8倍
KDDI <9433> [終値3306.0円]7兆6867億円 ROE 13.1% PER 12.0倍
伊藤忠商事 <8001> [終値3408.0円]5兆4742億円 ROE 14.7% PER 10.8倍
三菱商事 <8058> [終値3020.0円]4兆5690億円 ROE 8.0% PER 1.02倍
JT <2914> [終値2044.0円]4兆1550億円 ROE 11.0% PER 13.5倍
セブン-イレブン・ジャパン <3382> [終値4699円]3兆9987億円 ROE 9.5% PER 15.1倍
三井物産 <8031> [終値2303.5円]3兆8331億円 ROE 10.5% PER 8.8倍
富士通 <6702> [終値17405円]3兆3958億円 ROE 13.8% PER 17.2倍
ブリヂストン <5108> [終値4377円]3兆2073億円 ROE 10.3% PER 12.8倍
・コロナ相場3.0の航海術 霧の海 針路見失わぬために
自社株買い 再開の潮流 「実績+昨年度前半見送り」注目
相対的に自社株買いの期待が高い銘柄
トヨタ <7203> [終値8127円]時価総額27兆78億円 最終増益率18% PBR(株価純資産倍率)1.2倍
三菱UFJFG <8306> [終値578.0円]7兆7716億円 7% 0.4倍
東京海上HD <8766> [終値5230円]3兆7023億円 56% 1.0倍
富士フイルムHD <4901> [終値7087円]3兆6023億円 2% 1.3倍
三井住友トラスト <8309> [終値3720円]1兆3848億円 15% 0.5倍
ヤマハ <7951> [終値5950円]1兆1646億円 56% 3.0倍
光通信 <9435> [終値21980円]1兆389億円 11% 2.9倍
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