【マーケット解説】銅値上がり原油も強く、コーンと小麦が反発
☆金融市場の最大の関心事はインフレ、FRBのテーパリングに警戒感
☆クリプトの最大の関心事は中国の規制 次に米国の規制
5月27日(木曜)の欧米市場も引き続き方向感に欠ける展開。恐怖度合いを示すVIX指数は軟調で16.74ポイントとなっている。暗号資産の暴落を機に始まるとされていた金融市場への波及は収まったかのようにみえる。日経平均はドル円が110円間近に迫ったことで強い動きを見せて29,000円目前まで価格を伸ばした。米国の新規失業保険申請件数は40.6万件となり前週の44.4万件から低下した。これはパンデミック後の最低水準となる。
ドル指数はほぼ変更なくユーロ円が上昇していることから円安が進んだものと思われる。英中央銀行のブリハ委員が2022年前半にも利上げを行う可能性があると言及したことでポンドも高値圏まで来ており、円安によりポンド円も大きく値を上げた。156円台は2018年1月末以来の水準となる。ドイツDAXは前日比マイナス0.28%と陰線が3日間続いたが上昇トレンドはなお継続中というところ。
ダウが5月10日に史上最高値に到達したが5月27日の終値からその価格まであと1.8%のため射程圏内に入ってきているといえよう。カナダドルは上向きとなり円安との組み合わせでカナダドル円の大幅な増加が際立った。中国人民元は対ドルで3年ぶりの高値を更新中。オセアニア地域はほぼ変化がなかった。インドの株価指数NIFTY 50が微増ながら堅調に推移しており史上最高値目前である。
なお、中国人民元のトレードはなかなか難しいが、関連する商品の、例えば銅、原油、ゴールド、中国関連株を代替商品としてトレードをするということには一理ある。相関分析については今後の課題としたい。米国の10年債利回りは1.6%とじり高。銅が大幅に値上がりした。NY原油も強く、67ドル台の抵抗帯に差し掛かり、3月8日の高値67.98ドルを目指す展開である。穀物も全体的に強く、コーン、小麦の反発が目を引いた。
[ソース] Trading View USDCNYと原油(反転)の%比較。下のラインはADX
暗号資産市場はボラティリティはそれなりに激しいものの24時間比では動きの範囲が限定されていた。ADXなどトレンドの勢いを示すテクニカル指標では徐々に変動が落ち着いてきたようにみえる。ビットコインは4万ドルに満たず3万8千ドル台で価格が動く兆しのようなものはない。暗号資産取引所Deribitでのオプションのカットオフが17時、CMEのSQが午前1時である。
本日21:30に米国の4月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)の発表が予定されている。インフレ指標としてCPIよりもこちらを参考にする人も多い。
【トレード妙味のある銘柄】
NY原油
DAX、NIFTY 50
ユーロ円、ポンド円
【マーケット解説の注意事項】
以下のポイントを考慮しながらお読みください。
①材料が一過性のものなのか
②価格へのインパクトが継続するものなのか
差異性:金融市場を俯瞰して暗号資産の市況解説をする
- トレーダーのための市況解説
- 金融市場からの暗号資産のポジショニング
※トレーダーは何をトレードしてもよいので、ホットかつ妙味のある商品を対象としてもよいし、暗号資産に妙味がなければ無視してもよい
トレーダーとしての心構え
・「物事が起こってからの解説」はただ単に読むだけでよい。予測の力量やトレードの成績には影響しない。
・「今」のマーケットの動きは説明できない。
・方向性がわからなくても儲けることは可能。
・アナリストやストラテジストが「上がる」と説明しているマーケットに対して、戻りや調整局面に対して利益を出すことができる。
トレーダーは市場原理を知らなくても勝てる人は勝てる。トレードに直結しないマーケット解説や市場分析のみの人と、そうでない私のような考えの人が書いたレポートとでは少しスタンスが異なるはずです。が、やはり私が書いても表面的には「一般的な市況と変わらない」のはやむなしと捉えて下さい。
よろしいですか?