米国債利回りの低下は一時的!?|これからの外国為替相場の行方 137回(2021.06.11更新)
日本で唯一のFX専門誌『FX攻略.com』で130回を超える人気連載だった「これからの外国為替相場の行方」。Webでも変わらず経済アナリスト・田嶋智太郎さんに、日々動き続けている相場が今後どのように動いていくと予測しているのかを教えていただきます。
田嶋智太郎氏プロフィール
たじま・ともたろう。経済アナリスト。アルフィナンツ代表取締役。1964年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、ひいては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」、ダイワ・証券情報TV「エコノミ☆マルシェ」などのレギュラーコメンテータを務める。主なDVDは「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX入門」「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX実践テクニカル分析編」。主な著書は『財産見直しマニュアル』(ぱる出版)、『FXチャート「儲け」の方程式』(アルケミックス)、『なぜFXで資産リッチになれるのか?』(テクスト)など多数。最新刊は『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)。
米国債利回りの低下は「ワケあり」で「一時的」!?
昨日(10日)発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は「総合」で前年同月比5.0%の上昇と、市場の事前予想や前月の数値を上回る強い結果となった。
この結果だけを見ると、確かに足元の物価上昇を見て見ぬふりはできないようにも思える。しかし、その内容を精査すると中古車や航空運賃などコロナ禍で低迷した旅行関連の急速な伸びが主因であったことがわかってくる。そもそも昨年5月との比較であるから、そこにはベース効果によるかなりの歪みが生じていることもわかりきった事実である。
つまり、足元の物価上昇は「やはり一時的なもの」である可能性が高く、ここ数カ月分のデータに驚愕して慌てふためく必要もないと思われる。「だからこそ、昨日の米10年債利回りも1.4%台前半の水準まで一段と低下したのだ」と言いきれるかというと、そこは些か複雑な部分もあるのでヘタな思い込みと、その思い込みに基づくFX取引には慎重でありたい。
ドル円、ユーロドルの目先は?
ここもとの米国債利回りの低下は、どうやら米国債の——
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