ドル円:9月11日からの週はどうなる? 【阪谷直人 実戦トレード 】
阪谷直人 実戦トレード 2017年09月09日 13時57分
配信者:NSJ
「ドル円:9月11日からの週はどうなる?」
ポイント:「政治」「経済」「地政学リスク」の
3すくみの大荒れ9月が継続です。
先ずは「地政学リスク」。
北朝鮮の3日の核実験に続き、
金正恩氏の暴走、挑発行動が止まりません。
米朝関係の緊張は高く維持されていて、
トランプ大統領のいうところの
レッドライン(核弾頭搭載のICBM保有)
をほぼ踏み越えた今、
北朝鮮がICBMを米領グアム周辺海域に
発射した場合、
マティス米国防長官(これまでは
対話重視であったのですが)は、
軍事行動の可能性を警告するに
至っています。
朝鮮半島でもし軍事衝突が始まる場合には
先ずは有事の円買いとなり、
その後はその衝突が第二次朝鮮戦争へ
拡大する様であれば、一気に円売り
となる可能性も高く要警戒です。
「政治」で注意すべきは、
「9月の3つのリスク」です。
1.9月29日が期限の米連邦債務上限問題、
米国債がデフォルトの可能性
2.9月30日が期限の米2018年度歳出法案、
米国政府が閉鎖の可能性
3.この2018年度歳出法案の前に、
税制改革法案を通す必要があり
先週この1.が解決し、
一気にトランプ政権の税制改革法案の
審議・可決の可能性が高まっています。
ただ先週の連邦債務上限の3カ月引き上げ
に関しては、6カ月を主張していた
共和党重鎮等を差し置いて、
トランプ大統領が民主党と妥協した
いきさつから、採決時に共和党から
反対票がでており、今後の
税制改革法案成立は難しい
との見方があります。
一方でこうなればトランプ大統領は、
民主党からの賛成票を取り組む事も
可能なので、次なる「税制改革法案」
の審議に要注目です。
通るのであれば勿論ドル買いです。
共和党のライアン下院議長は
法人税引き下げに関して22.5%程度が
現実的な数字としているのに対し、
トランプ大統領は15%に固執、
共和党内部の仕切りが懸念され、
政権運営自体への懸念となれば
ドル売りです。
これに加えて、
1.複数のハリケーンに襲われている米国と、
その米国経済への悪影響、
これ自体はドル売り。
2.来年1月までの任期のイエレン議長の
後任人事、トランプ大統領の意を受けた
ムニューシン財務長官の説得に応じて
留任となればドル買い、
他の候補になればややドル売り。
と言うよりも次期議長候補が
この時期になっても絞り切れていない事
自体が、政権不安からドル売り材料です。
3.しかもテクニカルに重要な
108.00を割ってきていて
チャートを見るに思い切り悪い形です。
と言うように、
ドル円を買える状況にはありません。
戻り上値は格好の売り場と見ます。
CME通貨先物ポジション状況:9月5日時点
(9月5日)(8月29日)(8月23日)
円 ▲72945 ▲68524 ▲74086
ユーロ+96309 +86519 +87976
シカゴIMM:
短期投機・投資家による円のネット
ポジション売持高は今週は増加。
過去最高ネット円売り持ち高は、
2007年6月26日の▲188,077。
シカゴVIX指数:
投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.12 (前日比+0.57)
2016年最大は32.09、過去最安は1993年8.89、
直近安値は2006年9.39
ドルインデックス:
主要通貨に対するドルの値動きを示す指数、
91.35(前日比▲0.31)
先週は、110.50中心でのレンジでした。
4日の 109.37 ~ 109.93
5日の 108.62 ~ 109.83
6日の 108.44 ~ 109.39
7日の 108.04 ~ 109.26
8日の 107.31 ~ 108.49
テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
先行スパン1が 111.65 で横ばい
先行スパン2が 111.59 へやや下降
基準線が 109.17 へ下降
転換線が 108.98 へ下降
相場実線は 107.78 で8日の引け
となっています。
テクニカルは、
7月21日以降「相場実線<転換線<基準線」
の位置関係で、「ウリの時代」です、
チャートの形はものすごく悪いです。
大きくは「月足」で見て、
2011年10月安値の75.33から、
2015年6月5日高値の125.85までの上げを第1波動、
そこから2016年6月24日安値の98.
今は、そこからの上げ第3波動に入っての上昇中と見ます。
この場合の上値目途は
NT値= 98.90+( 98.90-75.33)=122.47、
N値 = 98.90+(125.85-75.33)=149.42、
V値 =125.85+(125.85-98.90)=152.80、
E値 =125.85+(125.85-75.33)=176.37、
と想定されます。
中位には「週足」で見て、
昨年6月24日安値の98.90から
昨年12月15日高値の118.66までの上げを第1波動、
そこから今年4月17日安値の108.12への下げが第2波動、
そこからの上げの第3波動に入って上昇中と
見ていましたが
昨日9月8日の107.31までの大きな下押しで、
その仮定は否定され、
今は、昨年12月15日高値の118.66からの下げ
を第2波動とし
その下げが継続中とみます。
その下値目途は、以下の日足での計算をご覧ください。
足元で「日足」で見てみると、
昨年2016年12月15日高値の118.66から、
本年2017年4月17日安値の108.12
までの下げを第1波動、
そこから2017年7月11日高値の114.49
への上げが第2波動、
今は、そこからの下げ第3波動に
入っての下降中と見ます。
この場合の下値目途は
NT値=114.49-(118.66-114.49)=
N値 =114.49-(118.66-108.12)=104.
V値 =108.12-(114.49-108.12)=101.
E値 =108.12-(118.66-108.12)= 97.60、
と想定されます。
大切なポイントは、
今の動きの中心値が「111.50」と見ているので
下値を押して下げても、108では下げ渋り、
108水準で底値固めをして
111.50への回帰が想定されます。
その後の流れは、
上値として「115」が想定されます
何故ならば、115=111.50+(111.50-108)
だからです。
つまりこの中心値「111.50」が
支配する相場展開が継続する内は、
下値の目途は「108」、上値の目途は「115」
と想定されるという事です。
なので、今足元の下げは、
下押しをしてもせいぜい「108」
そしてその後反騰をして、
「115」を試すと想定していましたが
昨日9月8日にこれらの支持線を
下抜けしてしまいました。
なので足元でのポイントは、
現状で進行中の2017年7月11日高値の
114.49からの下げの流れが
どこまで下押しをするのか、
それを見極める事です。
とにかく、チャートの形が思い切り悪いので、
高い確率で更なる下押しを想定します。
上値目途は、
1.下降中の転換線108.98、同基準線109.17、
2.前回高値8月31日110.67、8月16日高値110.
3.中心値「111.50」、
これを回復し上抜けるかが大切なポイントです。
4.先行スパンの111.59~111.65
5.7月11日高値の114.49
6.3月10日高値115.50
下値目途は、
上記で述べた中心値「111.50」が
機能すれば、下値目途の限界は108.00です。
大切なポイントは110.00~112.00を
支えられるかどうか。
そして、これらの価格帯の底割れを
回避できなかったので
1. 先ずは節目の105.00ですが
2. 昨年11月9日の101.18
3. 昨年8月26日の100.05
まで下値模索の展開を覚悟すべきです。
予想レンジは、105.00~110.00 と見ます。
阪谷直人 実戦トレード
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