ひとまず円の売り戻しが進む一方でユーロ/ドルには下値リスク
日本で唯一のFX専門誌『FX攻略.com』で130回を超える人気連載だった「これからの外国為替相場の行方」。Webでも変わらず経済アナリスト・田嶋智太郎さんに、日々動き続けている相場が今後どのように動いていくと予測しているのかを教えていただきます。
田嶋智太郎氏プロフィール
たじま・ともたろう。経済アナリスト。アルフィナンツ代表取締役。1964年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、ひいては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」、ダイワ・証券情報TV「エコノミ☆マルシェ」などのレギュラーコメンテータを務める。主なDVDは「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX入門」「超わかりやすい。田嶋智太郎のFX実践テクニカル分析編」。主な著書は『財産見直しマニュアル』(ぱる出版)、『FXチャート「儲け」の方程式』(アルケミックス)、『なぜFXで資産リッチになれるのか?』(テクスト)など多数。最新刊は『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)。
目次
- 中国恒大集団の資金繰り悪化
- 先週末のドル円は一時的に値を戻す展開
- ドル円、ユーロドル見通し
記事本文:1431文字(有料部分:748文字)
中国恒大集団の資金繰り悪化
中国恒大集団の資金繰り悪化に関する話題が市場を混乱させている。ひとまず、先週末にかけて一服した模様ではあるが、先週23日が期限だったドル建て債の利払いが「30日間の猶予期間」に移っており、少なくともその間は完全に警戒を解くこともできない。
猶予期間中に利払いを実施した例も過去にはあるが、現段階では「中国当局が社債保有者との間でしっかり意思疎通を取るよう求めている」に留まる。そもそも、習主席の真の“腹の内”が見えないところが何より厄介である。恒大集団の資金繰りが一気に悪化したのは、当局による不動産融資規制が直接的な引き金であり、結果的に苦境に陥った企業に当局が救いの手を安易に差し伸べることはなかなか難しいというところもあろう。
先週末のドル円は一時的に値を戻す展開
とまれ、先週は週末にかけて米・日をはじめとする世界の主要市場の株価が大きく値を戻す展開となり、一時的にも強まった円買いの動きにもアンワインドが生じた。
結果、21日に一時109.10-20円処まで下押したドル/円も22日以降は3日続伸して週末24日には一時的にも110.80円近くまで値を戻す展開。その過程で21日移動平均線(21日線)、89日移動平均線(89日線)、一目均衡表の日足「雲」を順に上抜け、テクニカル的にも強気に傾きやすい相場つきとなった。
なお、足元でドル/円が強気に転じているのは、先週行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に市場が再注目していることも一因と見られる。既知のとおり、今回のFOMCが市場に発したメッセージは想定よりもややタカ派寄りであった。「やや」を付けるのは、ーー
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