テクニカルからみた相場観測
注目の衆議院選挙の結果は、与党が予想以上の勝利となり株式市場も好感し、日経平均株価は754円高の29647円、トピックスは43P高の2044Pで終了しました。
自民党の過半数割れも警戒されましたが、ふたを開けてみれば過半数を大きく上回る261議席を獲得し、絶対安定多数を確保。
連立を組む公明党も議席を増やし、立憲民主は予想外の議席減少、維新が4倍近くまで議席を伸ばすなど、批判票の受け皿になった感じです。
今回の衆議院選挙の結果を受けて、政権安定は海外投資家に安心感を与え、経済対策への期待は高まり易く、日経平均も3万円台回復を目指す展開が期待出来ます。
ざっくりと言えば総論強気、しかし今は企業決算発表が本格化しており、個々の銘柄の値動きは決算次第です、全体よりも個を重視と言う発想で対応して行く投資環境に変りは無く、決算発表を確認するまでは決算リスクが存在する事も変わりません。
今日は先物主導で日経平均は大きく上昇、10/20に付けた高値29489円も突破し、ざっくりと言えば3万円台回復を目指す動きに入ったと言う感じです。
但しこのまま一気に3万円台を目指すのか?上げ下げを繰り返しながら目指すのか?は、海外動向次第の一面が有りますので、慌てて買いを考えるような必要は無いと思います。
先週末までは、衆議院選挙の結果を確認するまでは売り買い様子見と言う投資家が多かった訳ですが、今日は選挙結果を確認して、まずは売り方の買戻しが入り、その後追撃買いが入ると言う展開になりました。
日本市場では主要企業の7-9月期決算発表が本格化していますが、原材料高やサプライチェーン問題で業績を下方修正する銘柄も目立ち、一方上方修正する銘柄もあるなど、企業によって影響もまちまちと言う感じです。
裏を消せば、読み切れないと言う感じですので、決算発表を確認するまでは買い難さは有ります。
既に決算を発表済みの銘柄は買い易さは有るものの、好決算発表で上昇していますので、先々適度な調整安を待ってから買うのが理想的です。
下方修正銘柄でも、原材料高やサプライチェーン問題と言う原因が明らかな場合には、先々状況も改善されると思われますので、下げきった後なら買えますが、今はまだ早いと思います。
主要企業の決算発表が一巡し、有る程度業績見通しが出揃えば、今よりは格段に動きやすくなりますが、もう暫くは決算発表を見極めて行くと言うスタンスが良いと思います。
衆議院選挙と言う政治的な不透明感は払拭されましたが、世界的なインフレ懸念、原材料高、サプライチェーン問題、中国不動産企業の破綻懸念や中国経済減速懸念、米利上げ時期の前倒し懸念など、まだまだ不透明要因は山積しています。
しかし諸々の懸念要因も徐々に株式市場に織り込みが進んでいる事もまた事実です。
今日は日経平均も大きく上昇していますので、無理に買い出動を考える必要は無いと思いますが、この先、適度に反落する場面では、既に決算発表を通過し、好業績見通しの銘柄に関しては、順次買い出動を考えて行きたいと思います。
買いは急がず、しかし安値が有れば好業績割安でテーマ性を持つような銘柄を中心に買いを考える、そのような基本スタンスで対応して行きたいと思います。
柴田罫線からみた相場観測
先週の日経平均の動きは、28500~29500円のレンジの中で29000円水準から上は31日の衆議院選を終えるまでは上値が重いとし、結果的に28500~29500円水準の中での大きな上下動となりました。
今週は、米国株式は3指標そろって最高値更新したことや、衆議院選を終えて不透明感が1つ消えるので28500~29500円のレンジの中で下値は堅く29500円の上値を試す可能性もあります。
但し、11月の第1週間は3日(水)の祝日があり立会い日数は4日間であり、FOMCでは年内のテーパリング開始は確定路線となっており、今週、実行されなければ来月となります。今週、テーパリングが開始される場合は、タイミング的に米国株式は高値圏にあり、テーパリング開始をいったん材料出尽くして利益確定売りで下げる可能性もあり、その場合は日経平均も連動することになります。もう1つの見方は、11月2~3日に開かれるFOMCでテーパリングが開始されると焦点である利上げ時期の前倒しについてマーケットは一定程度織り込んでいると思われ、FRBの人事(FRB議長の指名や続投)をきっかけに上昇するパターンもあります。
今週の日経平均は、昨日31日の衆議院選の結果で自民党が単独過半数の議席を獲得したことで、株式市場にはプラスとなり、むしろ強弱の材料になるものが多く、例えば、1日の中国10月財新製造業PMIと米11月ISM製造業景況指数、3日に米ADP雇用統計、5日に10月雇用統計があります。これを考えると今週も28500~29500円のレンジ内の動きとなりそうです。衆議院選やテーパリングでアク抜け感があっても、このレンジの上限への重さということになると思われます。
相場自体は、煮詰まってきていますが、上にいくか下にいくかはわかりません、上にぬけていく場合は、10月20日につけた29489円をぬけるかどうかがポイントで、逆に下にぬける場合は10月25日につけた28472円の安値を切るかどうかとなります。29500円を上にぬけてくると3万円のせから9月14日の30795円を試すことになります。
本日1日(月)は、寄り付きは、買い優勢で始まり、昨日10月31日の衆議院挙で自民党が単独で国会を安定的に運営できる絶対安定多数の議席を確保したことが好感され、また前週末の米主要株式の最高値更新も支援材料となり、終日、堅調な動きとなって△754円の29647円で引けました。
ただ、市場からは、衆院選が好結果という国内のネタで上昇しましたが、今後は政策にらみとなります。また、FOMCを控えマーケットは海外に目が向くことになります。
指標分析
日経平均
先週の予測では、基本的に28500~29500円のレンジの動きだが、29000円水準からは上値の重い展開の可能性があるとしました。それは政治の変化を嫌う外国人投資家は自民党の議席数の減少は31日の衆議院選の開票を確認するまでは、どの程度か分からないからです。相場の本格的な動きは11月に入ってからとなります。
先週は、想定通り28500~29500円の水準のレンジの中で先物主導の値幅の大きい上下動となり、週の終値は29000円をつけて△72円の28892円でした。
今週は、昨日の衆議院選で自民党が過半数の議席数を獲得したことで、株式市場にとってはプラス要因となって、下値は限定的で28500~29500円のレンジの中での荒い動きの可能性があります。
米国では、FOMCによるテーパリングが開始されて目先材料出尽くしとなるのか、また週末の雇用統計、FRB人事の結果を受けて米国株式への影響はどうなるのか。又、国内の主要企業の決算が注目となります。材料が多い週ですので方向感は出ても、レンジの中での動きとなります。柴田罫線では10月26日に29106円で「ろく買」が出ており、上に行く確率が高い法則です。
NYダウ
先週が、ハイテク株の一部が予想を下回る決算となっていましたが、全般的に決算好調で3指標とも上値は重いものの、年初来高値を更新する動きとなりました。
週末の米株式は、ナスダックは5日続伸、S&Pも続伸となってザラ場と終値で最高値を更新しました。NYダウも3日ぶりに終値での最高値更新でした。
今週も先週に続き、企業の好決算が相場をサポートすることになりそうです。FRBがFOMCを開催するほか、10月の雇用統計など重要な経済指標が目白押しとなっています。FOMCではテーパリングが実施される予定ですが、市場ではほぼ織り込み済みとみられます。
10月雇用統計は、伸びが拡大する予想で新型コロナの収束の兆候がみられ、経済活動は一段と活発化する方向にあります。しかし、一方でサプライチェーンの混乱は2022年まで続く公算でインフレがしばらく高止まりする可能性があります。
為替(ドル/円)
<先週の動き…ドル強含む>
先週は、10月26日の9月新築住宅販売件数、10月CB消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことで、早期利上げの可能性が高まり、ドル買い・円売りが活発化しました。ドル・円は一時114.31円まで買われましたが、27日発表の9月耐久財受注が予想を下回ったことで、ドル・円は113円台に反落しました。その後、29日にドル・円は113.37円まで下落後、114.10円まで戻したあと、早期利上げ観測が高まり114.01円で引けました。
<今週の見通し…米利上げに根強い期待>
今週、開催予定のFOMCはハト派寄りの政策と予想され、長期金利の上昇は一服することから、ドル売り優勢の可能性があります。11月2~3日に開催のFOMCではテーパリングの開始を決める公算で、早ければ11月中に債権買入れの縮小を開始し、2022年半ばまでに完了するシナリオが既に織り込まれているようです。
ECB総裁は、10月28日の記者会見で「高インフレ局面は想定以上に長期化する」と述べており、将来的な利上げの思惑が浮上しています。
よろしいですか?