米国で、どれだけの利上げが必要か?
利上げの目的はインフレ抑制である。インフレが抑制されれば、とりあえずは利上げは止まるだろう。それ以上の利上げがあるとすれば、いわゆる正常化である。
今回、どれだけ利上げがなされるだろうか?
それは、とりもなおさず、どれだけ利上げすればインフレが抑制されるかということであるが、予想は難しい。
インフレの背景は、次を参照いただきたいが、複雑である。
特に気になるのは、物価高を受けて賃上げを余儀なくされているようで、物価高→賃上げ→賃金コストプッシュインフレ のスパイラルの懸念があることである。
アップル、米国内で店舗従業員の賃上げへ-労働市場逼迫で - Bloomberg
更に、過去と比べて違うことが多い。
今回の立ち位置が微妙である。
(1)昔と違って、リーマンショック以降は、FF金利は物価上昇率より低い状態が続いている。実質金利がマイナスで、景気刺激的な状態が続いてきた。
(2)通常は、物価上昇より多少早く、あるいは、ほぼ同時に利上げがなされている。今回は、これだけ物価上昇しているのに、まだ利上げがなされていない。
上のグラフのタイトルが間違っている。正しくは、「FFレートと米コアCPI上昇率」
通常は、金融政策は景気動向に沿ってなされてきた。今回は、景気がよくなっているのに金融緩和状態が続けられた。雇用の最大化を優先させたからだ。こういう風に利上げのタイミングが遅れるとどうなるのか? 過去に例がない。
**2021年は、 景気が急速に良くなっているのに、それに応じた金利政策を採らなかった。それが株価バブルを生む元になった。
しかし、FF金利の利上げはまだなされていないが、2年債などの金利は既にかなり上昇している。FF金利の上昇が遅れても、利上げ効果は出るかもしれない。
上のグラフのタイトルが間違っている。正しくは、「FFレートの変化と2年金利の変化」」
私の結論は、
よろしいですか?