FX必須情報4 為替相場と金利差 円に異変
投資環境に変化が起きている。
米国でスタグフレーション懸念が高まってきた。足元のインフレ抑制の為、強い利上げは続くが、将来のリセッション懸念から(かなり先では大幅な利下げが予想されるため)長期金利は上昇しないという現象が起こり始めている。具体的には、逆イールドの拡大だ。
これが為替相場にどう影響するのだろう?
・米国のリセッション懸念がドル安に働くのか?
・政策金利の上昇がドル高に働くのか?
・米日等の金利差が有効にしても、短期金利差か長期金利差か?
以下の「為替相場と金利差の関係」で、少し言及し、逆イールドについても別途検討していく。
それは、そうとして、<先週のレビュー>から、
・ドル/円:前回のレポートで『金利差はドル/円が142.5円が妥当水準であることを示唆している。方向的には、ドルの強含みは続くだろう。ドルロングポジションをとる。』とした。
週明けの12日に142.50でドル買い。その後円高に振れたが、13日の米CPI発表でドル急伸。ところが、2年金利がさらに上昇しているのに、ドル高が進まない。不思議に思って、144.50で手仕舞った。(これが個人のいいところだ。その後、ドルが続伸しても、「あ~あ」ですませられる。)
理由は、二つ考えられる。(1)為替介入の懸念。(2)米国経済のスタグフレーション、逆イールドの拡大。 まだ、はっきりしないが、後者の可能性はあると思う。
結局、先週も、大きなゲインとなった。
この好調の背景は、7月中旬から8月中旬の円高に振れた約1か月間、『私の見方と市場の見方が違う。しかし、相場は市場が作るので市場に逆らうわけにはいかない。なので、ポジションをとるのを見送ってきた。どこかで、市場の考えが修正される時がくるので、その時まで待とうということだ。』というように、投資を休んだことだと思っている。
・ユーロ/ドル:『トレンドはユーロ安。ただし、ユーロ/ドルと独米金利差の関係がおかしいので、ポジションを取るのは見送る。』という方針通りに何もしなかった。
ユーロは、一時弱含むこともあったが、ほぼ横ばい。
ECBのラガルド総裁は9月16日、仏中銀で行われた高校生とのイベントで、『インフレ抑制策が成長を圧迫する可能性について「あり得る。だが物価安定は根本的で最も重要なため、負わなければならないリスクだ」と述べた。』
・ポンド/ドル:『トレンドはポンド安。ただし、ポンド/ドルと英米金利差の関係がおかしいので、ポジションを取るのは見送る。』という方針通りに何もしなかった。
ポンドは、大きく下落した。ファンダメンタルズの悪化が影響しているのだろう。景気減速、賃金上昇、物価上昇。金利の上昇だけでは、通貨を支えきれない。
もし、米国が英国のような状態に陥っていくなら、ドル安懸念が強まる。
・豪ドル/ドル:『トレンドは豪ドル安。MACDがマイナスなので、ショート継続。』という方針通り実行。
豪ドルは、大幅安となった。かなりのゲインになった。
私としては、豪ドルで儲かるのは珍しい。豪ドルでは、いつも逆をやって損ばかりだったので、ちょっと嬉しい。以前は、感性で気ままにやっていたが、このブログを書くことによって、多少は考えて行動しているのがよいのかもしれない。
よろしいですか?