米経済とISM指数のギャップ
経済情報
米国で、2022年4月の鉱工業生産と小売売上高が発表された。
両方とも強かった。株式市場は好感し、債券利回りは上昇した。
為替市場では、むしろ、ユーロ圏や豪州などの利上げ観測から、ユーロや豪ドルが強含んでいる。一般に、ユーロにつれ高している。
円だけがやや蚊帳の外だ。円は新しいフレーズに入った感がある。
為替市場は、相対的に決まるだけに、米経済、欧州経済、中国経済、米国インフレと金融政策、ユーロ圏インフレと金融政策、ウクライナ危機と、様々な要因があり、複雑だ。
ISM指数が軟化しているにもかかわらず、米鉱工業生産は堅調だ。
こういう状態は、米国経済は堅調だが、海外経済が軟化しているときに起こる。
株価にとっては、ISM指数の方が重要だが、債券相場にとっては鉱工業生産の方が重要だ。金融政策にとっても鉱工業生産の方が重要だ。
(ただ、5月17日は、米経済堅調を好感した。今の株価はISM指数50くらいまで織り込んでおり、多少の戻しは起きやすい)
米消費は依然堅調。インフレで調整した実質小売売上高も、しっかりしてきた。驚くべきことだ。タイトな雇用環境を反映しているのだろう。
鉱工業生産と小売売上高で、米実質GDP成長率(3か月前比年率)を推計すると、4月は7.4%になる。強すぎる。利上げをサポートする要因だ。株価は好感したが、利上げという向かい風に押し戻されるだろう。
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