そもそもビットコインは誰が管理しているのか?(第3回)
連載コラム:ゼロからはじめる仮想通貨トレード:第3回
ご存知のように、ビットコインは国や銀行や企業が管理している通貨ではありません。ならば、一体、どこから発行されて、世界に出回っているのでしょうか?
中央管理者のない通貨なんてなんだか不安になりそうですが、実は逆にそっちの方が安心だったりします。
コンピューターのネットワークを利用して分散管理
ビットコインにはブロックチェーンという、全取引履歴を記録した元帳のようなデータベースがあります。
そこには「いくらのコインがいつどこからどこに送られたか?」という記録が残るようになっており、そのデータベースは公開されています。
そして、そのデータベース内の取引記録が正しいかどうかを、世界中に多数いるビットコイン参加者たちによって監視(分散的メンテナンス)されており、その半数(51%)以上が「不正を認める」ことをしない限り、不正はネットワークにより却下される仕組みがあります。
もし不正を認めてしまうと、参加者すべてが被害を受けることになるので、不正は起こらないという考えが根底にあります。
善意による多数決
このようにビットコインのネットワークは「善意による多数決」によって、取引に不正がないかを一定期間(10分)ごとに判断して台帳(ブロックチェーン)に追記されていきます。
もし中央に管理者がいるネットワークだったらどうでしょう?
たった一人の悪意ある管理者が不正を起こってしまったり、ハッカーがネットワークに不正に侵入してデータを改ざんしたり破壊したりするクラック行為が行われる可能性がありますが、ビットコインにはそれがまずあり得ません。
え?じゃあマウントゴックスの件は?
それが頭をよぎった方もいると思います。
2014年に当時最大の取引所から時価数十億円ものビットコインが盗まれ紛失したという件ですね。そのイメージからビットコインは危ないという印象だけが残ってしまっているように思います。
あの事件は実は「極めてずさんな一企業による不祥事(管理不十分と内部犯行)」に過ぎないのが事実なんですね。
ビットコインそのものの問題というよりも、ビットコイン取引を仲介管理していた業者の問題の方が多くを占めていた問題だったのです。
FXも創成期(金融庁への登録制になる以前)には顧客から預かった証拠金を持ち逃げするという事件は多発していたらしいですので、似たような状況化にあるのかもしれません。
間違った知識やイメージをなるべく早く塗り替えた方が得だということが、少しづつ広がりはじめています。
ビットコインが危ないというよりも、取引所の管理体制が危なかった…のが本質です。
報酬で安全が保たれる
ビットコインというものが、人々の善意により安全性が保たれているといっても慈善活動ではありません。
一連の認証作業は採掘(マイニング)と呼ばれ、作業はコンピューターによる膨大な計算処理で行われます。
この採掘をする人々を「マイナー」と呼びます。 PCさえあれば誰でも参加することが可能ですが、現在では強力なライバルが多すぎて一般人が行うには電気代の方が高くついてしまうようです。
元帳への追記処理を成功させた人には、報酬としてビットコインがもらえるようになっており、まさにその瞬間が新しくビットコインが発行される唯一の時なのです。
報酬は、当初50BTC/10分/1人でスタートし、およそ4年毎に半減するシステムで供給のバランスもとられています。2012年11月に半減して25BTCになり、2016年6月にはさらに半減して12.5BTCになる予定です。
半減期をむかえる毎に供給量が減りますので、その前後からビットコインが高騰していく可能性も十分にあります。
まとめ
ビットコインは中央銀行のような中央機関がない仮想/暗号通貨!
×
よろしいですか?