一目均衡表を用いたEAを作ろう
はじめに
GogoJungle / Skijan を運営しております、株式会社ゴゴジャンです。
今回は、EAつくーるの基本的な操作について理解した方向けに、実際に「一目均衡表」という定番のテクニカル指標を用いた簡単なEAを作成する手順について紹介していきます。
EAつくーるに初めて触れる方は、ぜひ下記リンクから過去の記事をご覧ください。
・EAつくーるの基本操作と使い方
・取引条件について徹底解説
・オプションについて知ろう
・ゴールデンクロスを用いた簡単なEAを作ろう
・MACDを使ってみよう
・ナンピン・ピラミッディングを使ってみよう
・カスタムインジケーターを用いたEAを作ろう
・半裁量EA・決済EAを作成しよう
目次
・一目均衡表とは?
・一目均衡表の条件
・一目均衡表を用いたEAの作成
・おわりに
一目均衡表とは?
一目均衡表とは、1936年に日本で生まれた、もともとは株式変動を予測するための手法であったテクニカルチャートの一つです。
「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた時に大きく動くため、どちらが優勢かが分かればよく、それを一目で知ることができる」という由来による分析手法になります。
日本ではもちろん、海外でも「Ichimoku」という名称で支持されている、人気の高いテクニカル指標の一つです。
一目均衡表は、ローソク足と5本の補助線(基準線、転換線、遅行線、先行スパンA、先行スパンB)を用いてグラフを形成します。
特に「雲」といわれる抵抗帯が一目均衡表の特徴であり、この雲の大きさや雲に対するローソク足の位置や動きを見ることによって、今後の値動きの予測に役立てることができます。
一目均衡表の条件
EAつくーるの条件設定画面で使用できる設定項目について確認していきます。
転換線 : 転換線の計算に使用するローソク足の本数を指定できます。
基準線 : 基準線の計算に使用するローソク足の本数を指定できます。
先行スパンB : 先行スパンBの計算に使用するローソク足の本数を指定できます。
モード : 条件として計算する一目均衡表の種類を指定できます。
モードは「転換線」「基準線」「先行スパンA」「先行スパンB」「遅行スパン」があります。
一目均衡表を用いたEAの作成
では、実際に一目均衡表を条件として用いたEAを作成していきましょう。
エントリーの根拠として、三役好転/三役逆転というサインを使用します。
三役好転は、「転換線が基準線を上抜けている」「遅行スパンがローソク足を上抜けている」「ローソク足が雲を上抜けている」という3つの条件が全て揃った状態を指し、価格の上昇を予測する材料になります。
三役逆転はこの逆のパターンになり、価格の下降を予測する材料として用います。
買いエントリー条件
では、三役好転でエントリーするようにEAつくーる上で条件を設定していきましょう。
まずは、直列(AND)に条件を4つ追加し、それぞれの条件に以下のように入力します。
転換線が基準線を上抜けたとき
両側に一目均衡表を選択し、それぞれモードを「転換線」と「基準線」に設定しましょう。
既に確定したローソク足で判定を行うため、計算位置は「1本前」に設定します。
遅行スパンがローソク足を上抜けたとき
こちらも同じく左辺には一目均衡表を設定し、右辺にはローソク足を選択します。
こちらは遅行スパンという特性上、26本前にしか描画されていないため、計算位置を「26本前」に設定します。
ローソク足が雲(先行スパンA,B)を上抜けたとき
ローソク足が雲を上抜けしていることを判定するため、先行スパンAと先行スパンBに対してそれぞれ条件判定を行います。
転換線/基準線の上抜けと同様に既に確定したローソク足で判定を行いたいため、計算位置は「1本前」に設定します。
買い決済を設定する
決済は、その三役好転の状態が解かれた時点で行います。
OR条件を4つ用意し、それぞれ以下の通りに設定しましょう。
売りエントリー・決済条件
売りのエントリーと決済についても同様に、先ほどまでと条件を逆にして設定します。
テスト結果
では、以上の設定で作成したEAをテストしてみます。
2019.01.01-2024.01.01の期間でバックテストした結果は以下の通りです。
トレードの例を確認してみましょう。
三役好転によってうまくトレンドをつかんだトレードができている例です。
レンジ相場の中でエントリーしてしまい、うまくトレードができていない例です。
このように、実際にEAとして稼働させてみるとうまく動く部分とうまく動かない部分があり、安定して利益を出すのは簡単ではありません。
しかし、こうしたインジケーターを利用して優位性を持ったトレードができるように研究することで、利益が出るようなEAも作成することができます。
あくまで一例ですが、先ほどのEAにエントリーにRSIを用いた条件を追加し、時間足を1時間足に変更することで、結果は以下のように変わります。
これが正しいというわけではありませんが、先ほどよりも勝率や総合的な利益率が改善していることが見て取れます。
このように、工夫することで一つ一つテクニカル指標を活用してEAを作成することができますので、是非EAつくーるでお試しください。
おわりに
一目均衡表を用いたEAの作成方法については以上になります。
あくまで基本的な手法であり、販売できるような「良いEA」を作成するためにはより細かいチューニングやテストが必要です。
EAつくーるで作成したEAは、条件の組み合わせ、条件指定の誤りなど、様々な理由で意図したとおりに稼働しない場合もございます。
バックテストおよびデモ口座にて、稼働確認ができてから、リアル口座にて稼働開始をお願いいたします。
今後とも「EAつくーる」をよろしくお願い申し上げます。
よろしいですか?