上値追いを続ける勢いをチェックするには。 荒野浩の『テクニカル・ルームから』
2016年11月27日 10時03分
新高値数で測る上昇相場の持続力
今年の相場は海外発のショックで大きく売ら
れ、その売り圧力が和らぐと、戻りを試すとい
う繰り返しが9月までは続きました。その時に
は空売り比率が相場の方向をチェックするには
有効な指標でした。
上値を追う、高値を買い上がるような動きが
見られなかった相場が続いたことになります。
その状況証拠としては新高値数が100を超えた
日が年初から9月まではわずか2日しかなかった
ことからも明らかです。
ところがトランプ効果の前、10月には日本株
は上値を追う力が現れ始めており、11月にはト
ランプ現象での円安が加速し、上昇に勢いがつ
いたことは新高値数の急増からも分かります。
新高値数が高水準を維持する限りは
下記で過去2年の1か月累計の新高値数でみ
た相場の山をチェックしてみました。14年の例
は日銀の追加緩和の後の上昇相場で、1日平均
の新高値数が147と相場に勢いがありました。
それを上回ったのが、昨年2~3月の上昇相場で、
1日平均の新高値数は197と200に迫る勢いでし
た。
ここで注意したいのは下記に掲げた20日累計
の新高値数がピークを打った前後では株価も天
井を打っていることです。
更に上値を追うには新高値数200が必要
足元ではドル・円相場、株価ともにテクニカ
ル的には過熱感があり、スピード調整も懸念さ
れる場面です。過熱商状を超えて株価が上昇す
るには個別物色の意欲が弱まらないことが必要
です。
新高値数が3桁を維持することは最低条件で、
ここからの上値追いには200を超えることも必
要になってくると思われます。
新値数は日々、リアルタイムでチェックでき
ます。足元では相場上昇が持続するかどうか判
断する上では最重要指標となります。
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