江守哲氏 週越えで英議会ポンドには大きな収益機会1.49ドルが理論値
あらゆる市場に目を配り、投資機会を探しながら収益の獲得を狙うグローバルマクロ戦略。江守哲氏の弁では、世界のヘッジファンドのもっとも得意とする手法であり、市場価格の上昇・下落に関係なく、価格の変動が見込まれれば、それにベットする(賭ける)戦略は、単に日本株だけ、米国株、債券、FXだけという攻め方よりも遥かに有利に投資ができることは容易に想像ができます。
10月18日(金)の江守哲氏のグローバルマクロ戦略の中から一部をご紹介しましょう。
【通貨トレード戦略】
ドル円はショートを維持します。昨日も上値を試しましたが、やや重くなってきている印象です。これで108.50円を割り込めば、107.80円程度までの調整になりそうです。かなり高くなりましたが、戦略は維持します。いまの値動きから見れば、まだ下落余地は十分に残っているといえます。そのため、撤退ポイントは110.50円に引き上げます。ここまで上げても売り乗せができるように、資金管理をしっかりと行うことが肝要です。マクロ戦略では、往々にしてこのような状況になります。逆張りで取引することも少なくありませんので、資金管理がきわめて重要です。
週越えで英議会での新提案の承認が必要ですので、その結果次第では週明けには大きな変動がある可能性もあります。楽観はできませんが、個人的には反対派の労働党やDUPは受け入れざるを得ないのではないかと考えています。一部には、否決されて離脱期限の延長をEUに申請する方向になるとの見方もあります。可能性はゼロではありませんが、これ以上の引き延ばしに意味があるとも思えません。議会もそれぞれの政党のエゴが反対の根拠になっているとしか思えない状況です。国民再投票が中立的な見方になるでしょうが、一度決めたものをやり直すのはどうなのでしょう。いずれにしても、英国は今回で決めるべきでしょう。
ポンドには大きな収益機会があります。英米実質金利差でみると、ポンドの割安感はかなり大きいといえます。1.49ドルが理論値ですので、修正余地は相当大きいといえます。英EUの離脱交渉が進展すれば、通貨先物市場でもポンドのショートが多いことから、買い戻しがかなり入ってきそうです。収益機会になりそうですので、注意深く見ておきたいところです。
ドル円が下げ始めた場合には、クロス円もショートを検討したいと考えています。
投資対象はドル、円、ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルとします。対ドル対円のトレードに集約します。
ドル円:ショート
ユーロドル: ロング
ポンドドル:ロング
豪ドル/米ドル:ショートを買戻し、新規でロング
NZドル/米ドル:なし
米ドル/カナダドル:新規でロング
ユーロ円:なし
ポンド円:なし
豪ドル円:ショートを買戻し
NZドル円:なし
カナダドル円:なし
〔EQUITY & BOND MARKET〕
【米欧株式・債券市場の市況解説・分析】
<省略>
【米国株のトレード戦略】
<省略>
【主要株式指数トレード戦略】
<省略>
【米国債トレード戦略】
米2年債・10年債はロングを維持します。売られすぎになっています。そろそろ金利は低下していくでしょう。株価調整と債券の反発を見込んで維持します。状況が明確に変わるまでは、ポジションを維持します。債券先物まで手を広げると、かなり広範囲になりますので、余裕がなければ無理にトレードする必要はありません。ポートフォリオの分散の観点から、参考にしていただければと思います。
とはいえ、本来は株式、債券、通貨、コモディティに広く分散するのがマクロ運用の基本です。株式の個別銘柄をたくさん保有しても、リスク分散にはなりません。マクロ要因で株式市場がクラッシュすれば、ミクロ分析や個別の株式投資は機能しません。この点をよく理解したうえで、マクロ運用の利点を活用していただければと思います。また、債券トレードは先物あるいはCFD取引をベースに行ってください。
【日本株式・債券市場の市況解説・分析】
<省略>
【日経平均先物のトレード戦略】
シカゴ市場はこの日も22500円レベルを維持しています。上値を試しましたが、米国株が伸びきれなかったことと、円安に限界があったことが上値を押さえました。とはいえ、依然として22500円を維持しています。強気な向きは引き続き強気な姿勢を継続しやすい地合いです。個人投資家が上昇過程で再び売りを作ったようで、これの買い戻しが終わるまでは高止まりしそうです。外資系大手は先物市場でまちまちの動きになってきました。買い続けている向きと、この2日間大幅売り越しになっているところが交錯し始めています。いずれもヘッジファンドを裏に抱えているもようであり、今後の動向に注目しておきます。買い手が売りに転換すれば、大きく崩れそうです。
昨日の夜間取引で22690円まで買われました。ここが上値のターゲットになるでしょう。高値圏で推移が10日程度継続する可能性があります。最近はこのパターンが多く見られます。このパターンで行くと、10月29日から30日あたりがポイントになりそうです。ちょうど日銀金融政策決定会合に当たります。ここで新たな政策が発表される見通しですが、それがどのような内容で、市場にどのようなインパクトがあるかを判断することになりそうです。失望的なものになれば、いったんは調整が入りそうです。
いずれにしても、いまの市場はポジション需給の「フロー」で動いています。実需が腰を入れて買っているわけではないでしょう。このような市場はもろいものです。チャートの形状は確かに大きく改善していますが、株価そのものの割高感やテクニカル面での過熱感が全く解消されていません。このような状況だからこそ強いともいえるわけですが、かなり無理があるように思います。チャート上の「三空」も無視できません。これが高値圏で出現すると、高値確認のサインといわれています。買い方もいったん利益確定売りを入れる場面でしょう。
また、繰り返すように、ドル建て日経平均は207ドルまで上げています。このような水準になると、18年1月、10月のように下げやすくなります。当時もこのようなドル建て日経平均が上げすぎた後に暴落しています。同じパターンになると考えるのが妥当でしょう。また、日経VIは15ポイント台に低下しています。そろそろ株価の調整とともに反発する頃でしょう。過去の経験則では株価はピークとなる水準です。したがって、いまの株価水準は、売りであっても買いではないと判断できます。
このように、株価のピークを示唆する指標しか見当たりません。これらの客観データを素直にとらえ、調整を待ちたいところです。上昇すれば、引き続き売り乗せを継続します。その場合には、資金管理をしっかりと行うことを忘れないことが肝要です。まずは21850円前後までの調整を待ちます。
テクニカル指標では、騰落レシオの25日平均が128%に低下したものの、過熱状態は変わらず。6日平均は182%かた127%に低下したものの、過熱状態にあります。PERは12.68倍、EPSは1770円。PERは今年のピーク圏です。EPSが上昇しているのが意外です。PBRは1.11倍、BPSは20226円です。PBRの1倍水準である2万円前後が下値として意識されやすい地合いは変わりません。
空売り比率は41.1%に小幅低下しました。最近は低位であまり動きがありません。新高値銘柄は53、新安値銘柄は10で、強気パターンが続いていますが、新高値銘柄数が大幅に減少しました。10月11日時点の信用倍率は2.35倍で、前週の2.38倍から小幅低下しました。あまり大きな動きがありません。10月13日時点の信用評価損率は前週の14.05%から13.63%に低下しました。
10月4日時点の海外投資家の売買状況は1149億1200万円の買い越しでした。個人投資家は1317億4000万円の買い越しでした。両者が再び買い越しでそろい踏みです。証券自己は2134億6300万円の売り越しで、以前と同じパターンです。高値からの調整時に買ったことになり、ここから上げていくと売りが出ることになります。上値は限定的になりそうです。21500円前後で買っているのをみると、よほど下げないとみているということでしょう。
〔CURRENCY MARKET〕
<省略>
〔COMMODITY MARKET〕
<省略>
その他分析多数
週越えで英議会、ポンドには大きな収益機会1.49ドルが理論値というコメントが特にFX投資家にとって週明け重要な意味を持ってくると思います。
トレード戦略の参考にしていただければと思います。
Report by Hayakawa
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