第2回:偉大な投資家から学ぶ実践的トレード方法とマインドセット ジェームズ・シモンズ(2)
第2回:ジェームズ・シモンズ(2)
『100人以上の博士号保持者が知恵を結集して作ったコンピュータープログラムを利用している』
(引用元:https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AJames_Simons_2007.jpg)ジェームズ・シモンズというトレーダーをご存知でしょうか?
ハーバード大、マサチューセッツ工科大の両校で数学教授にも就いた経歴の持ち主で、
40歳からトレーダーになり、1982年に立ち上げたファンドでは、
金融のバックグラウンドのない数学や物理学、情報理論、天文学の博士号取得者を大量に採用し、
複雑な計量モデルに基づいた取引をしていると言われています。
詳しくは前回の記事をご覧ください↓
https://www.gogojungle.co.jp/finance/navi/40/78
ジェームズ・シモンズはその手法についてほとんど語ることはないのですが、
こんなことをインタビューで言っていました。
「100人以上の博士号保持者が知恵を結集して作ったコンピュータープログラムを利用している」
よく考えたら不思議なことを言っています。
あなたも想像してください。
あなたがトレード会社を立ち上げ、
人を募集しようとします。
その時、電話で
「私は20年FXトレードをしているのですが、御社に興味があります」
と言われたら、テンション上がりませんか?
この電話口の人と協力したら、会社は大きな稼ぎになるんじゃないかと
期待に胸が高鳴ります。
でも、ジェームズ・シモンズからしたら、そんな人は論外で、
数学・物理に長けた人を雇っています。
その結果、30年弱に渡り、平均40%のリターンと言う実績を残しています。
(バフェットの運用実績は、53年間で約23%の平均リターン)
■なぜ金融業界経験者を雇わなくて成功したのか
ジェームズ・シモンズが普通の人とは異なる「何を」重要視していたか。
それを考えることは、あなたにハイパフォーマンスのリターンが降ってくる第一歩になるかもしれません。
僕は、ジェームズ・シモンズがこの2つを重要視していたと考えます。
あなたはどう考えますか?
1.投資経験を重要視しない
(当たり前ですね。ですが普通ではない、大事な考えです。)
2.マーケットやローソク足を数字・数式などの「計量モデル」で適切に捉える
補足するとジェームズ・シモンズのファンドは
2の考えでトレードロジックを組み立て、機械的にトレードしているようです。
(詳細は前回の記事をご覧ください。)
このような考えで、何が言えるのか?
それはこうです。
「今負けてても、トレード経験を積めば、いつか勝てるようになる」
というのが大きな間違いであること。
このような考えでトレーダーをやっていても、
適切な計量モデルを考えたり使ったりするトレーダーにごぼう抜きにされるということです。
努力の方向が間違っているのですね。
■個人投資家はプロの環境を真似できない
とは言え、
「じゃあ数学者や物理学者を雇おう」
「じゃあ計量モデルを組み立てよう」
と思っても、なかなか難しいことはすぐわかります。
プロのようにおカネや時間をかけること自体が難しいのですから。
サラリーマンをしながら、深夜眠い目をこすってトレードしたり、
家族サービスをする傍らにトレードしたりしないといけません。
じゃあそんな中で僕たち個人投資家は何ができるか?
ここでは2つの方法をご紹介します。
■適切なトレードロジックを用意し、自分がロボットのようにトレード
1つ目は適切なトレードロジックを用意することです。
経験よりも計量モデルを重要視するということは、
自分の経験や勘よりも、トレードロジックを重要視するということです。
自分の勘で組み立てた統計的に有意かさえわからないトレードロジックではなくて、
いろんな人や専門家が検証し、組み立てたロジックを取り入れるべきです。
このロジックは有料無料多くのものがあります。
ここで特定のロジックを紹介することは控えますが、
無料でも勝てるロジックがあるかもしれません。
(無料で勝てるのは非常に稀だと思いますが。)
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2つ目は自分がロボットのようにトレードすることです。
もちろんEA(Expert Advisor)を用いることもできますが、
自分でイチからつくるのは困難なので、
ロジックに沿って自分でトレードすることが手っ取り早いです。
ロボットのようにトレードする際の秘訣をひとつお伝えします。
「早く稼ぎたい。多く稼ぎたい。」
と、思わないでください。
こう思うことは、お金への恐れや怒りを潜在意識に抱えたままトレードするので、
ロジックより稼ぎたい気持ちを優先してしまいがちです。
トレードそのものに集中して無心でトレードしましょう。
よろしいですか?