何でそんなに注目されるの!?米国雇用統計の基礎知識[雨夜恒一郎]
月に一度の最重要イベントと称され、世界中のトレーダーの注目が集まる米国雇用統計。FXの教科書には、この日に注意すべしと書かれており、極端な値動きが起こる可能性は知っている。でも、雇用統計って、そもそも何だろう? そんな疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。ここでは、金融アナリストの雨夜恒一郎さんに、米国雇用統計の基礎知識を整理してもらいます。
目次
1. ディーラーのお祭りの日
2. 雇用統計の概要
3. 非農業部門雇用者数
4. 5月の雇用統計は衝撃の下振れ
5. もう一つの雇用統計 ADP雇用報告
6. 失業率と労働参加率
7. 失業率低下とNFP下振れの因果関係
8. 平均時給が注目される理由
9. その他に注目すべきデータ
10. 労働市場の量と質
●文字数:3927文字(見出し含む)
●画像:5点
※この記事は、FX攻略.com2016年9月号の記事を再編集したものです
雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)プロフィール
20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。
twitter:https://twitter.com/geh02066
ディーラーのお祭りの日
「あと30秒…」「出た!」「悪い!」「うおぉー!売れ!!」……米国雇用統計が発表される毎月第一金曜日は、世界中のディーラーのお祭りの日。あらゆる市場が大きく動き、冒頭のような怒号や悲鳴が飛び交います。
雇用統計の結果が、当面の相場動向を決定付けることも少なくありません。ただし、米国雇用統計はさまざまなデータを含んでおり、それぞれの意味や解釈を正しく理解していないと、相場への影響を読み違えてしまいます。
そこで本稿では、米国雇用統計の基礎知識と、最近の傾向、金融政策への影響について詳しく述べてみたいと思います。
よろしいですか?