FOMC声明から読み解く米国ファンダメンタルズのきほん[雨夜恒一郎]
「ファンダメンタルズは難しいのでよく分からない」という声をよく聞きます。確かに、経済、金融、財政など、お堅いテーマではあります。しかし、だからといって難しいとは限らず、簡単に理解するためのコツがあるかもしれません。ここではファンダメンタルズの基礎力をアップするために知っておくべき情報を、金融アナリストの雨夜恒一郎さんにまとめてもらいます。
目次
1. トレードの王道
2. 大局観をつかむには
3. FOMC声明
4. FOMC声明の読み方
5. ドットチャートの読み方
6. FF金利先物で市場の金利観を知る
7. まとめ
●文字数:3904文字(見出し含む)
●画像:7点
※この記事は、FX攻略.com2016年10月号の記事を再編集したものです
雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)プロフィール
20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。
twitter:https://twitter.com/geh02066
トレードの王道
ファンダメンタルズは「経済の基礎的条件」と訳されますが、よく分からない単語や小難しい理屈が並ぶ、何やら面倒くさいものと敬遠している方が多いのではないでしょうか。いっそのことファンダメンタルズは一切見ない、テクニカルだけで勝負するという方も少なくないでしょう。
しかしテクニカルのみでトレードするのは、暗闇の中を無灯火で運転するようなもので、ベテラン投資家ならまだしも、トレードを始めたばかりの方にはお勧めできません。
それに、現在相場はトレンドがあるのかないのか。あるとすればそれは強気なのか弱気なのか、それが判断できればトレードに優位性が生まれ、テクニカル手法も再現性が高くなります。そしてその判断に欠かせないのがファンダメンタルズ分析なのです。
筆者は、トレードの王道は、ファンダメンタルズ分析で大局観をつかみ、テクニカル分析で売買レベルやタイミングを判断することだと考えています。大局観があれば目先の相場変動やニュースに惑わされず、自信を持ってトレードすることができます。
逆に大局観がなければ、目先の動きに右往左往するだけで、行き当たりばったりのトレードになってしまうでしょう。ですから、初級者の方こそファンダメンタルズに明るくなり、トレードに役立ててほしいのです。
Is it OK?