DAY 34:実践に繋げる検証サイクルの回し方
FX
DAY 33では、検証結果を元にどうルールを修正すべきか、具体的なステップや最適化の罠を回避する方法を解説しました。
しかし、トレードは一度ルールを完成させたら終わりではありません。相場は絶えず変化し、自分自身のライフスタイルや精神状態も刻々と変わっていきます。
そこで重要になるのが、“検証→修正→実践→再検証”のサイクルをいかに上手に回すか。
今日のDAY 34では、このサイクルを具体的にどう運用し、常に手法をアップデートしていくかを見ていきましょう。
1. PDCAサイクルの概要
- P (Plan):トレードプランやルールを作る・修正する
- D (Do):実際にトレードを行う(デモ・小ロット or 本番)
- C (Check):結果を検証(バックテスト・フォワードテスト・トレードノートの分析)
- A (Act):問題点や改善点を洗い出し、ルールやロジックを再修正
このPDCAサイクルを定期的に回すことで、勝ちパターンをさらに洗練し、負けパターンを排除していく進化が望めます。
2. 具体的なサイクルの回し方
(1) P:ルール策定・アップデート
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最初のプラン
- 移動平均線×RSI×フィボナッチなど、シンプルなロジックで初期ルールを作る。
- 過去検証(バックテスト)&少しのフォワードテストで“大怪我はしなそう”程度に仕上げる。
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定期的なルール見直し
- 週1回や月1回など、一定のタイミングで検証データやトレード履歴を振り返り、アップデートを検討する。
- 大幅変更は避け、小さな修正を一つずつ試す。
(2) D:実践(リアルトレード or デモ)
- 小ロットかデモで運用開始
- いきなり大きな金額で試すのではなく、実装状況や安定性を少額で確認。
- ルールを守り切る意識
- メンタルに負けて途中で損切りずらす、利確早めるなどしないよう、トレードノートに正直に記録する。
(3) C:結果の検証・分析
- 勝率・リスクリワード・ドローダウン・PFなど、DAY 32で学んだ指標を総合的にチェック。
- “どんな相場環境で勝った/負けたか”(トレンド・レンジ・指標前後など)の分類も有効。
- トレードノートで感情の記録も振り返り、メンタル面の問題点がないか確認。
(4) A:問題点の抽出・次の修正プラン立案
- 連敗が増えるパターンや大きく負ける場面を重点的に対策を考える。
- 例:「指標発表30分前にはポジションを閉じるか、新規を控える」
- 例:「高ボラ通貨はロットを少なめに設定」
- 一気に色々手を加えず、1つずつ改善策を試す
- 追加インジケーターなら1つのみ、損切り変更なら何pips変更かのみに絞る。
- 再度バックテスト・フォワードテストで確認
- “改善策”がプラスに働くか見極めてから本格的に取り入れる。
3. 運用サイクルにおける時間軸・頻度の目安
(1) 日次 or 週次で“軽い”振り返り
- 日次チェック:トレードノートに「今日の通算損益、エントリー根拠が守れたか」を簡単に記録。
- 週次チェック:勝率、合計利益・損失、相場環境の概観(トレンドだったか、レンジだったか)をざっくり見る。
(2) 月次や四半期で“中くらい”の検証サイクル
- 1か月分の履歴をエクセルなどにまとめ、指標別・時間帯別・通貨別の成績を集計。
- 大きなドローダウンがあった理由や、勝ちパターンの相場状況を再確認。
- ここで問題が顕在化していれば、小さな修正策を考える。
(3) 半年 or 年単位で“大きな”見直し
- **半年前には通用していた手法が、最近はまるで機能しない…**など、相場環境が大きく変わっていないかをチェック。
- EAを複数稼働しているなら、それぞれのトータル損益・PF・ドローダウンを長期データで比較。
- 必要なら「大幅改造」や「別の手法の導入」を検討、あるいは「現行手法は終了」など大きな決断をする。
4. 忙しい人向け:簡易サイクルの取り入れ方
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最低限、月1回の振り返り
- 日々のトレードを詳細に分析する時間がなくても、月末にログを見直し、勝ち負けの傾向を確認。
- 勘だけに頼らない、客観的数字を把握するだけでも大きく違う。
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スマホ管理&Googleスプレッドシートなど
- トレード履歴をそのままスマホのスクショ + スプレッドシートで記録し、月末にPCで分析。
- 時間がない人でも、ちょっとしたスキマ時間でノートやスプレッドシートに入力可能。
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EAの定期レポートで手間削減
- 一部のEAや分析ツールには自動集計機能があるため、口座履歴をCSV出力して自動でグラフ化する仕組みを利用する。
- 裁量トレード分は簡単なエントリー履歴を加えて合算し、合計パフォーマンスを見る形に。
5. 実例:Mさんの検証サイクル
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日々:軽いメモ程度
- 「今日の利益+3,000円。EUR/USDショート。指標控えで無理せず。」というようなポイントだけをスマホのメモに。
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週末:週単位まとめ
- 全トレードの履歴をエクセルに並べ、勝率・損益・PFを計算。
- 「連敗が多かったのはGBP/JPYの急騰日にショートで粘ったせいだ」と自己分析。
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月末:やや詳細に分析
- 通貨ペア別・時間帯別の勝率、ドローダウン、エントリー時の感情を踏まえて「損切りをあと5pips広げるか」「GBP/JPYロットを半分にするか」などの修正案を出す。
- バックテストや小ロットフォワードで、その修正案を試してみる。
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3か月に1回:大きな調整可否を判断
- 「EAの苦手相場が続いて連敗が増えている→パラメータ見直し」
- 「自分の裁量勝率が下がった原因は、仕事が忙しく相場をあまり見れなかったから? 時間軸を変えるべきか」など、大枠の運用方針を考える。
6. まとめ & 次回予告
まとめ
- “検証→実践→再検証”のサイクル(PDCA)を定期的に回すことで、手法やロジックを常にアップデートし、相場の変化に対応できる。
- 小さく修正・再検証していくプロセスが大切。いきなり大改造してしまうと、過剰最適化や管理不能に陥るリスクが高まる。
- 日次/週次/月次/半年の4つのレイヤーで振り返りの濃さを変えると、忙しい人でも無理なく分析が可能。
- トレードノートや集計ツールを活用し、“長期的にどう変化しているか”を把握する習慣が長期成功の鍵。
次回(DAY 35)のテーマ:今週のまとめ & 質疑応答
- ここまで「検証・検証・さらに検証」のWeek 5で学んだ内容を総合的に振り返り、DAY 29~34の疑問点やコメントに答えつつ要点を整理します。
- トレードノートやバックテスト、フォワードテスト、ルール修正、そして検証サイクル――これらをどう組み合わせ、あなたのトレードに活かすかを最終確認していきましょう。
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