いいだっち先生からプロの手仕舞い方法を学ぶ 為替相場で勝ち残るための決済理論|第3回 利食いと損切りポイントの決め方
いいだっち先生さんプロフィール
元進学塾の講師。温泉が大好きで温泉ソムリエの資格を持つプロのFXトレーダー。「終値トレード法」という手法を用いて多くの優秀なトレーダーを育成し、そのオンラインによる勉強会ではお年寄りから若者まで全国から多くの参加者が学んでいます。「終値」を重視したチャート分析手法が、24時間相場に集中しなくて済むトレード法として兼業トレーダーたちに好評を得ています。
ブログ:10万円からの大逆転!FXトレーダー いいだっちBLOG
※この記事は、FX攻略.com2019年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
三つのシナリオを考え危険性を低下させる
こんにちは、いいだっち先生です。今号も引き続き決済の理論について書いていきましょう。前回は、手仕舞いとは利食いか損切りかの二択ではなく、多様性を持たせること、損切りに至るまでに三つのシナリオを策定することが重要だと解説しました。損切りの基準を自己資金に対する比率にしてしまうと、それに到達した時点で損切りと判断するため、手仕舞いプランの選択肢が二択に限られてしまい、損切りが雑になってしまう危険性があります。
資金管理の理論と決済理論の関係性
トレードにおいて資金管理は非常に重要だと多くの書籍で目にしますが、決済理論の重要性について書かれているものはあまり目にしません。しかし、この決済理論は資金管理を基にした考え方になるため軽視できません。理想的な資金管理を行うには、決済理論を突き詰める必要があります。資金管理とは、あくまでその結果論に過ぎないのです。
資金管理とは?
そもそも資金管理とは何なのか調べてみると、大抵は「投資する資金を安全に保つよう管理すること」と説明されています。具体的には①資金変動の可能性を知り、管理すること②損切りポイントを決定すること③1回の損切りあたりの損失額(投資資金に対する比率)を決めること④損切りポイントにおいて損切りを行ったときに、③で決めた損失額の範囲内に収まるように売買サイズを決定すること——つまり資金管理で重要なのは事前に損切りポイントを決めておくことで、結局は決済理論とあまり変わらないのです。
損切りポイントを事前に決める方法
話は戻りますが、損切りポイントを決定する上で自己資金に対する比率から損失額を決めてしまうと、損切りが雑になってしまいます。自己資金は自分の勝手な都合なので相場とは全く無関係なのです。自己資金を基準に損切りを考えるのは非常にシンプルで、誰でも簡単にできるでしょう。しかし、あなたの大事な資金の損失を確定する重要なポイントを安易に決めてしまうのは考えものです。
また、トレードでは事前に損切りポイントを決めるだけでなく、利食いポイントも決める必要があります。そして重要なのは、その利食いポイントで得られるであろう利益に対しての比率から損切りポイントを決めることです。これがいわゆるリスクリワードレシオ(損益比率)で、損小利大のトレードを実現するのに欠かせません。
よろしいですか?