高勝率・低ドローダウンの良質なEA「InstaFX Evolution」の開発者であるAlexaさんにインタビューしました!
編集部:まずEAについてお聞きします。「InstaFX」とはどんなEAですか?
Alexa:当初はパラメータが非常に多くて複雑なEAを作成していました。一方でFXをやったことがない知人に「こういうものがあったら気軽にFXを始めてみようと思うか」と話してみたところ、「よく分からないので使いたくない」と言われました。EA取引は詳細が分からなくても性能が良さそうなものを使えば誰でもlotを決めるくらいで簡単に使えるというイメージを持っているようなので、それならパラメータを簡素化して誰でも使えるようなパッケージにしたほうがいいのではないかと思い、作り直して完成したものがInstaFXです。仕事上でAIなどを使っていたので、解析にAIを使って市販のEAとは違う特色を出したいというところからできたものです
編集部:初心者でも使いやすいように作成したということですね。それでは「InstaFX Evolution」と他のInstaFXシリーズとの違いを教えてください。
Alexa:InstaFXでマジックナンバーの201711と指定している大区分のロジックがありましたが、フォワードを見たときに設計書の成績と真逆になっていました。それでまずはこのロジックを調整し直す必要性と、バックテストとの乖離をなるべく避けたいと思い、稼働については全て始値での動作にしています。ただし始値での動作だと15分単位での決済やトレードになってしまい、途中の足のヒゲの部分などでトレーリングストップをかけることができたのではないか、ブレイクイーブンをかけることができたのではないかと考えたところ、かからなかったケースがほぼ100%だったので、そういった部分をティックで動くようにしたりしました。後は投稿しているロジックの中で成績が極端に落ちているものを代替ロジックに入れ替えや新しいロジックを追加することによって完成したEAがInstaFX Evolutionです。系統としてはInstaFXという冠をつけていますが、ほとんど別のEAになりうる形で改良やロジックの追加をかなりしています。
編集部:InstaFX Evolutionで注目してもらいたいポイントについてお聞かせください。
Alexa:旧来のInstaFXだと1ポジション限定のトレードでした。InstaFXでは大区分で3つのロジックに分けられる形にしていましたが、例えばロジック1でロングのポジションを取っていてロジック2でもロングのポジションを取ると判定した場合にロジック1のポジションを決済した上で同じ方向であってもポジションの取り直しをするようにしていました。ここで既存ユーザーから「手数料とかを考えると同じ方向への仕切り直しは無駄ではないか」とのご指摘をかなりいただいていました。そのような部分を含めてInstaFX Evolutionでは大区分で4つのロジック構成にしています。それぞれでロジック判定をしていくことは変化していませんが、独立で動作させているので、最大4ポジション保有する可能性があります。それによって1ポジション限定だと1つのロジックが判定したものをずっと引きづっていくという時間の無駄がありましたが、それぞれのロジックを独立で稼働させることによって利益を獲得する機会が増えました。バックテストの結果ですが、従来のInstaFXとの対比だと収益が52%強増えました。
編集部:初心者の方は気にすると思いますが、InstaFX Evolutionのロジックにはマーチンゲールやナンピンは設定されていますか?
Alexa:あくまで4つのロジックを別々に稼働させているだけの状態です。例えばロジック1がオーダーをするかしないか、ロジック2がオーダーをするかしないかのような形でバラバラに動いているので、含み損があるからナンピンやマーチンゲールを仕掛けるということではありません。
編集部:このEAはどのような人に向いていますか?
Alexa:始めてEAを使う方や基本的にlotの指定だけで後は放置しておきたいと考えている中堅トレーダーに最適だと思います。もちろん上級者の方にはパラメータを操作する楽しみはないEAですが、ストレスフリーで運用できるメリットもあるので、さまざまなトレーダーに使っていただければと思っています。
編集部:InstaFX Evolutionの使用する上で注意点などはありますか?
Alexa:理論上だと同方向に4つポジションを持つ可能性があるので、運用金額と業者のレバレッジを意識したlot設定にしないと運用途中で強制ロスカットになる場合があります。無理のないlot運用を心がけていただければと思います。
編集部:推奨している運用会社はありますか?
Alexa:ゴゴジャンだと外為やOANDAで運用されている利用者が多いので外為やOANDAが良いのではないでしょうか。
編集部:ポートフォリオを組むならどのようなEAと合わせるのが最適ですか?
Alexa:トレンドフォローやスイング系のものと組み合わせてほしいと思います。後はInstaFX Evolutionの通貨ペアがユーロドルなので、ユーロドル以外の通貨ペアを運用するEAと組み合わせたほうが効果的だと思います。
編集部:前作のInstaFXと一緒に運用するのはどうですか?
Alexa:私のツイッターでも比較のデータを出していましたが、同じベースの解析ロジックを使っている部分も多少あるので100%被らないとは言いきれませんが、相関性も0.5程度で収まっています。おたがいを補完するような結果も生まれていて、相場が荒れたときにもリスクを上手に分散できているところもあるので、可能であればInstaFX EvolutionとInstaFXを併用していただくことは良いと思います。
編集部:前作のInstaFXは人気でしたが、そちらを購入している方でもInstaFX Evolutionを買って同時運用しても問題ないということですね。
Alexa:問題ありません。
編集部:荒れた相場ではEAを止めるべきですか?
Alexa:本来、EA自体に指標を停止する機能があれば止める必要はありませんが、安全性を考えると重要指標の発表前後や要人発言のような相場が荒れそうな状態になったときには少なくとも前後30分は止めた方が私は良いと思います。
編集部:それではご自身のFX歴と、経験を教えてください。
Alexa:FX投資は2006年ごろ、EA制作は2008年ごろからそれぞれスタートしました。
編集部:EA製作のきっかけはなんだったのでしょうか?
Alexa:もともとは株から投資を始めました。知り合いから「こういった株が面白い」と話を聞いて、そのときは投資に全く興味がなかったので、言われるがまま買うという状態でした。購入した金額の10倍近くまで利益が出て、投資というのは面白いものだなというところからスタートしました。次にFXに興味を持ち始めました。それから自分でEAを作り始めたという流れです。
編集部:現在では裁量トレードはされていますか?
Alexa:裁量はほとんどやっていません。あくまでチャート上での検証が主です。
編集部:EAの運用もマーチンゲール系のEAから始めたと伺ったのですが、マーチンゲール系のEAは作ろうとしなかったのですか?
Alexa:最初にEAを作ったときはネットにアップされている手法的なものを検証することから始めました。ただネットにある情報は無責任な情報が多く、EA化すると話と全然違うものができました。そのころは自分自身のロジックを持っていなかったので、どうやったらこれらが儲かるシステムに変わるのかというところからマーチンゲール系のEAも考えました。ですがFXを始めたばかりのころにマーチンゲール系のEAで嫌な思いもしたので、作成したところで「絵に描いた餅」になるのではという懸念があったので結局作っても運用していませんし、それを売るつもりもありません。
編集部:初心者の方はナンピンやマーチンゲール系のEAを好む方もいるかと思いますが、その方たちに注意点や一言あればお願いします。
Alexa:ナンピンやマーチン系のEAは資金がものをいうトレードです。例えばデモ口座上であれば誰でも100万ドルでも200万ドルでも初期費用として投入できますけども、現実は違いますよね?
編集部:100万ドルを投入できるトレーダーはごく少数だと思います。
Alexa:少ない人だと5~10万円くらいから、一般的な人でも100~200万辺りで運用しているのではないかと思います。そういった方々がナンピン・マーチン系で含み損ができたからどんどんポジションを増やしていくと、現実的に考えると獲得できるリターンと失うリスクの比率が全く合わないと私は思います。例えば定期的に得た利益を出金して破綻させないなどの賢い運用前提であればナンピン・マーチン系も悪くはないと思いますが、ただ口座に資金を入れっぱなしでどんどんポジションを取っていくのでは1円もなくなる可能性があります。そのリスクを考慮して使われるのであればナンピン・マーチン系もおもしろいEAだとは思います。
編集部:リスク管理が重要ということですね。それではEAを完成させた経緯を教えてください。
Alexa:製作の流れについては、ノウハウもあるので細かいことは言えません。他のEAと違うと自負しているのは解析の時点でディープラーニングを使っているのが一つの売りです。かなり大雑把な説明ですが、ヒストリーデータをまずディープラーニングのシステムで学習させたところでどういう結果が得られるか、各MQLでも内蔵されているMAやボリンジャーバンドなどのテクニカルを相場データと合わせてディープラーニングで学習させた結果をベースにして作成しています。ディープラーニングのシステム自体がマシンのスペック次第ではすごく時間がかかったりするので、一般的なMQLのなかだけで完結するようなシステム作りとはかなり必要な製作時間が違ってきます。InstaFXのベースを作るだけでも半年近くかかっています。なのでMQLだけで完結するシステムと違ってバージョンアップを数日でできないのが開発者として悩みの種です。
編集部:詳しくないので教えていただきたいのですが、ディープラーニングの学習を踏まえた上で、EAをどういう方向にもっていきたいかの方向性を定めることはできますか?
Alexa:よくAIというと勝手にトレードを判断すると思われている方が多いですが、AIであっても普通のEAであってもどういった判断基準かは別として、ここでトレードをしろとかここで決済をしろというのはできます。よくAIを使っているというと、今までの結果を今後のトレードのロジックに反映して学習してくれるのかなと誤解されます。それには24時間365日絶えず相場を解析するAIのシステムと連動しないといけないので、それはできません。できたとしても一般で売れる商品ではなくなってしまいます。なので私の作り方の場合はロジックを作る方向性を探るために、AIでヒストリカルデータの学習やテクニカルの学習を行ない、どういった傾向が生まれるからどういうふうにロジック組むといった、ベースの時点で考え方を決めるためにAIを使用しています。
編集部:その考え方を決めるというのは今回のInstaFX Evolutionではどのようなプランニングで作られたのですか?
Alexa:ディープラーニング系のシステムでヒストリーデータを読ませて、例えばAIにロング・ショートを勝手に決めさせるトレードをやらせたら勝率がどのくらいになったかが出てきます。逆にヒストリーデータだけで学習させたAIが勝手に考えたトレードタイミングとインジケーターを組み合わせたときにどのくらいの勝率に生まれ変わっていくのか、そういったことを何十ものテクニカルと組み合わせて検証していって良い結果が得られたものをさらに組み合わせていくという作り方です。
編集部:最後にこれからInstaFX Evolutionを使おうとしている方へ一言お願いします。
Alexa:初心者の方にはすごく最適だと思っています。また中級者・上級者の方たちにも安心して使っていただけるEAだと思いますので、ぜひ幅広い方たちに手に取っていただければと思います。またInstaFXから必要に応じてバージョンアップを実施し続けていますので、長く一つのEAを使いたいという人にも安心して使っていただけると思います。
編集部:ありがとうございました。
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