潮流233 業種別ランキング 井上哲男氏
配信日:2017/03/03 07:00
外国人投資家が今年の1月第2週以降、現物、先物ともに大きく売り越しに転じていることを書いてきたが、トランプ氏当選後の、ファンドにおける資産構成上の株式組入れ比率の上昇、それに伴う日本株の購入もひと段落したと考えている。買いの第2弾が来ても、それが第1弾クラスの大きさとなったことはかつて一度もない。「外国人が×週ぶりに買い越し」の報が流れても、そして、その買いが2~3週間続いたところで、大きく買い越す姿勢を再度示したと考えるのは早計であり、過去のパターンは指数がボックス内でしばらく推移する(または、下落に転じる)ことを示してきた。
そのため、次に外国人が日本株の投資を考えるのは、やはり、3月企業の本決算(4月下旬から5/15まで)が発表され、指数全体のバリュエーションを、相対的(海外市場のPER等との比較)に判断するというプロセスを経てからということになる。
1年に買い場は2~3回しかないということを繰り返し述べてきたが、それ以外の時期は個別銘柄(ETF、リート、投信)の学習や、それらのこれまでの値動きを見る(あくまでもバリュエーションの判断のため)という地道で恒常的な作業が必要である。当メルマガを配信して、「300銘柄を覚える!」まで、丸10ヶ月、個別銘柄の言及をせずに指数、需給、テクニカルに関する執筆を行ったが、この勉強の時期を経て、今後は、やや個別銘柄への言及機会を増やしていこうと考えている。
そのため、今日は、金融を除く29業種の、第3四半期を終えた時点での業種別ROE、ROA数字を添付することとする。個別銘柄を調べていく際に、やみくもに探すのではなく、「業種」という「森」の特徴を知ったうえで、その「業種の森」で「木」を探す方が、はるかに効率的である。2017年度決算見込みが発表される前に、2016年度の期初見込み(業種別)と実際のROEの変化を知ることは、来年度、業種探訪におけるどの森に入るかの一助となる。
今年度、期初見込みから上方修正された業種はどのような業種なのか?「意外と「建設」っていいんだな」、「ROEが高くてROAがイマイチなのはどういうこと?(何れ書きます)、「「空」と「海」は天国と地獄?」いろいろと思われるところがあると思います。
よろしいですか?