メルカトル図法[森晃]
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森晃さんプロフィール
エコノミスト。シンクタンク(アメリカ合衆国)に所属。専門分野は、為替政策、金融政策、マクロ経済政策、金融規制。市場関係者、金融当局者、政策当局者と交流し、多方面から為替の動向について分析を行っている。
※この記事は、FX攻略.com2019年9月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
最近、大学の図書館の中を散策したら非常にうれしい発見があった。昔の世界地図がたくさん書庫に保管されていることを知ったからである。喜々として、数時間その地図を眺めながらあれやこれやと思いを巡らせた。特に大航海時代の未完成の地図や、ドイツが東西に分かれていたころの地図などはとても興味深かった。
読者の皆さまもご存じのように「地球」は球体であり、「面積」「角度」「距離」「方位」の4要素について、全て同時に正しく平面に表現することは不可能である。
そのため、我々が普段目にする平面の地図は、ベルギーのゲラルドゥス・メルカトルによって考案されたメルカトル図法(画像①)による地図である。この地図は、大航海時代に非常に重宝された。なぜなら、羅針盤を使って航海する時代に、この地図は2点を直線で結ぶだけで等角航路になる進路を求めることができたからである。しかしながら、その大きな欠点は「距離」や「面積」に大きな「ひずみ」が 生じることである(地図上の高緯度にある国が非常に大きい面積となる)。
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