「ドル円:3月6日からの週はどうなる?」 阪谷直人氏
配信日:2017/03/05 12:04
ポイント: ファンダメンタルでは、
まだまだ続くショートカバー
テクニカルには、
115台の回復と年初来高値118.60を意識。
CME通貨先物ポジション状況:2月28日時点
(2月28日)(2月21日)(2月14日)
円 ▲50017▲50162 ▲51284
ユーロ ▲51164▲58251 ▲46764
ポンド ▲70671▲66352▲65528
シカゴIMM:短期投機・投資家による
円のネットポジション売持高は微妙に減少、
ピーク時の87000枚から約42.5%の減。
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
11.50(-0.21)VIX指数は下落しての引け。
先週は何といっても事前の注目の強かった、
28日トランプ米大統領の
上下両院合同会議での演説です。
市場では色々な評価をされていますが、
私が思うのは思い切り失望しました。
あれ程前もって、「驚くほどの減税政策案」
と自分でハードルを思い切り高くしておきながら、
あのスピーチはないでしょう。
それ以上に驚いたのは、
そのトランプ大統領の議会演説を受けて、
市場が崩れなかった事実です。
という事は、
先週週初よりのFRB高官達による
突然の3月米利上げアピールの執拗な繰り返し、
これが如何に大きい意味を持つかという事です。
崩れるべきニュースに対して市場が崩れず、
一時下値を試すものの結局114台は維持して週を終え、
という事は市場・投資家は
今までのショート・ポジションを
カバーしきれていないと見ます。
一部の参加者はショートを積み増していると聞きます。
ましてやロングへの転換まで
手が回っていないと想定します。
という事は、まだまだ
もう一段の踏み上げが起こると見ています。
相場は今、とても大切なポイントにきていて、
方向はやっと買い相場が再開し、
幅としては中心値の110.70を大切に、
年初来高値を意識した動きが始まっているので、
しっかり乗る事が大事です。
先週のレンジは、週初下値を模索、
週中より上値を試す流れ開始という展開でした。
明らかに下値も、上値も、切り上がっています、
今週も上げ相場の継続でしょう。
2月27日の 111.91 ~ 112.83
2月28日の 111.68 ~ 112.89
3月1日の 112.73 ~ 114.04
3月2日の 113.67 ~ 114.59
3月3日の 113.80 ~ 114.74
テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
先行スパン1が 114.82で 横ばい
実勢値 114.05で 3日の引け
基準線が 113.49で 横ばい
先行スパン2が 113.22で 急上昇
転換線が 113.13で 上昇
となっています。
テクニカルは、非常に大切な位置にあります。
中心値としての110.70を維持して、上抜けました。
昨年11月安値の101.18を起点とした
上げのトレンド、
昨年12月高値の118.67をトップと考えると、
その半値戻しは110.00水準です。
その上げトレンドは、丁度そのあたりで一旦もんで、
それから上昇しています。
その110.00水準でもんだ後、
昨年12月高値の118.67まで上げた後半の
上げトレンドの起点は、
11月25日の110.50と見られ、
丁度その110.50の水準が、
昨年の上げのポイントであったのみならず、
今回の年初からの下げ相場での
一旦のもみ合いの大切な水準にもなっています。
ですので、この後今週の動きの中で
この110.50をどう扱うかで、
その後の3月末への相場の方向性が
決まってくると先週述べました。
そしてその水準を維持して上抜けてきました。
上値目途は、
日足の一目均衡表の転換線と基準線を
しっかり上抜け回復しました。
先ずは前日高値の114.75、
そして先行スパン1が 114.82、
これらを上抜いた後、
その上は1月30日&2月15日両日の
高値の114.95、そして115.00です。
この114.95~115.00の価格帯を
上抜けできるかが大切なポイントです。
その上は1月19日高値の115.60や、
1月11日高値の116.87です。
ここをクリアすれば、
年初来高値118.60が見えてきます。
下値目途は、
日足の一目均衡表の転換線と基準線、
そして上昇して来ている先行スパン2、
そこを下抜けた場合
7日の安値で年初来安値でもある111.57、
この111.50~111.57の価格帯が
支持として大切なポイントです。
予想レンジは、113.50~117.50 と見ます。
よろしいですか?